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〈新型コロナ〉岡山県・岡山市・県警が実施した「夜の街」立ち入り調査は越権? 法律の専門家から疑問の声も

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 岡山市で新型コロナウイルスのクラスターが発生したことを受けて岡山県警は7月、岡山県・岡山市と合同でキャバクラやホストクラブへの立ち入り調査を行いました。調査は風俗営業法などに基づくものでしたが、風営法を感染防止目的で用いることに法律の専門家からは疑問の声が上がっています。

 7月30日、岡山県と岡山市、県警は合同で岡山市中心部のホストクラブやキャバクラなどの立ち入り調査を行いました。立ち入りを拒否した店はなく、調査した18店舗は全て「一定の感染対策に取り組んでいた」と報告されました。

(岡山市/大森雅夫 市長) 「いわゆるアナウンス効果も私は十分出たんではないかと思います、全体としては良い傾向だと思っています」

 立ち入り調査のきっかけとなったのは、岡山市の「夜の街」で発生したクラスターです。岡山県で最初に新型コロナウイルスの感染が確認されたのは3月22日。  5月、6月は収まりましたが7月中旬から再び増え始めました。そして岡山市中心部で営業している接待を伴う飲食店2店舗とカラオケ付き飲食店の合わせて3店舗でクラスターが相次ぎました。

 今回の立ち入り調査は岡山県と岡山市が協議し、県警に協力を求めて実施しました。それぞれが根拠とする法律に基づいて店舗に立ち入り、県と市が感染防止策の確認や指導を行いました。

 県警が根拠とする風営法には「警察職員はこの法律の施行に必要な限度において(中略)立ち入ることができる」とあります。「夜の街」での立ち入り調査は東京都や大阪府でも行われました。

 日弁連の副会長を務めた水谷賢弁護士は今回の立ち入り調査に一定の理解を示しながらも、風営法の範囲を越えていると指摘します。

(岡山弁護士会/水谷賢 弁護士) 「本来は善良な風俗・青少年の健全育成、この2つを目指した法律、コロナとは全然関係ない。警察の強制力を利用した任意調査、法治主義の観点から決して望ましくない」


 風営法の解釈について警察庁が2018年、各都道府県の警察に通達を行いました。そこには「立入り等の行使は(中略)他の行政目的のために行うことはできない」や、「調理場の検査を行うこと等は認められない」と書かれています。

 岡山県警の担当者は「協力の要請を無条件に受けたわけではなく、協議を重ねて難しい線引きを迫られた」と話します。

(岡山弁護士会/水谷賢 弁護士) 「(警察も)悩ましいと思いますよ。常態化していけば立ち入りだけでなくいろんな犯罪捜査を行ったり警察の権力の行使に歯止めが利かなくなる恐れがある。正々堂々と行うのであればすぐ国会でそういう法律を改正して、あるいはつくればいい」

 岡山県警本部生活安全企画課では、立ち入りについて「違法な営業が行われることのないよう、健全な風俗環境が確保されていることを確認した」とコメントしています。

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