ハンドボール女子日本代表「おりひめジャパン」のオリンピックでの奮闘に自身の夢を重ねていた女性がいます。そこには姉妹で交わした約束がありました。
おりひめジャパンを特別な思いで応援してきた女性がいます。村上涼さん(30)は、おりひめジャパンの角南姉妹の姉で唯選手とは双子です(旧姓:角南)。
(村上涼さん)
「私もオリンピックに行きたいって思ってたし、3人で行きたいっていう目標を持ってやってたんですけど」
3人は岡山県倉敷市の下津井で生まれ育ち、小学生の頃からハンドボールに親しんできました。中学時代には、3姉妹が揃って出場した全国大会で優勝。生徒数120人あまりの中学校が全国大会で優勝したことは「奇跡」と呼べる出来事でした。
その後も3人は活躍を続け、3人が揃って進学した大学ではインカレで優勝も経験しました。
「3人でオリンピックへ!」そんな夢を抱いていましたが涼さんは23歳の時、ケガのため現役引退を余儀されました。
唯選手と果帆選手は東京オリンピックの日本代表に選出。夢をかなえました。その後のインタビューでは……
(角南唯 選手)
「3人で(オリンピックに)出たかったというのが、本当の気持ちなんですけど、3人で戦っているといつも思いながら、果帆と一緒にプレーしたいなと思います」
(角南果帆 選手)
「涼の気持ちも背負って3人でコートに立ってるつもりで一緒に戦いたいと思います」
夢半ばで引退した姉のために……その思いを胸に唯選手と果帆選手は、夢の舞台で躍動します。
(実況)
「ポスト角南果帆、姉から妹へのパスでした。いやー素晴らしいプレーですね」
(村上涼さん)
「私までが幸せですね。私も夢がかなったというか、自分もオリンピックに出たというか、行っているような気持ちになるぐらい2人には感謝しています」
しかし、予期しない試練が姉妹に訪れました。予選リーグ第2戦。
(実況)
「チャージングだ」「一人選手が倒れています、日本です」
果帆選手は左腕を負傷。その後、チームを離れました。8月2日に行われた予選リーグの最終戦。3姉妹で唯一コートに立った唯選手は強敵を相手に全力で戦いました。
(村上涼さん)
「本当に唯と果帆が自分が満足したというか、やり切ったと思ってくれれば私も十分ですし、うれしいなと思います」