江戸時代の絵師・伊藤若冲の作品を西陣織で再現した展覧会が岡山市で開かれています。
ひしめき合う13羽の鶏たちが描かれている「群鶏図」。けたたましい鳴き声が聞こえてくるかのようです。細やかに表現された羽の質感や複雑な模様が目をひきます。
岡山市のアートスペース「天神山文化プラザ」では、江戸時代の絵師・伊藤若冲の作品を西陣織で再現した展覧会が開かれています。約50点の作品は京都市の織元が作ったもので、図案、糸染めなどそれぞれの工程を専門の職人が受け持っています。
蓮や魚を描いた「蓮池遊魚図」。水に浮かぶ蓮は、上や横、さまざまな角度から描かれ、不思議な空間をつくり出しています。
群れて泳ぐ鮎たちの横に1匹だけ別の魚、オイカワがいるなど遊び心を感じます。
「鳥獣花木図・右隻」にはユーモラスな動物たち。白いゾウなど、江戸時代にはいなかった動物が空想を交えて描かれています。
伝統工芸の西陣織と江戸時代の天才絵師、両者の魅力が詰まった展覧会「西陣美術織 伊藤若冲展」は8月29日まで開催されています。