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「一人で悩まないで」自殺が増える夏休み明け 子どもが発信するSOSのサインに注意

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 30日には岡山市などの学校で2学期が始まりましたが、長い休み明けは自ら命を絶つ子どもが増える時期でもあります。

 新型コロナウイルスの影響でより心が不安定になることが懸念される中、専門家はより「SOSのサイン」に注意してほしいと呼び掛けています。

(香川大学 臨床心理学科/太田美里 特命助教)
「こちらが子どもの心理面接を行う部屋です」

 香川県三木町にある香川大学医学部のキャンパスには2020年10月、心理臨床相談室が開設しました。

 誰でも利用可能で、学校や人間関係についての悩みを始め、さまざまな相談に対して専門的なサポートを受けることができます。

(香川大学 臨床心理学科/太田美里 特命助教)
「みんなで支援を考えていくっていう体制を整えていっていただけたら。『死にたい』って言われているお子さんを、家庭内とか一人の大人が支えるっていうのはとても大変ですし、不安になって当然のことだと思います」

 厚生労働省によりますと、全国の小・中・高校生の自殺者は2020年、統計をとりはじめてから最多の499人にのぼりました。

 特に新型コロナによる休校が明けた6月や、夏休み明けの8月・9月など長い休みの後に増えました。

 2021年の上半期に自殺した児童・生徒は全国で234人で、2020年の203人を上回っています。

 専門家は新型コロナの影響で見通しが立ちにくい中、2021年の夏休み明けは特に注意が必要だと訴えています。

(香川大学 臨床心理学科/坂中尚哉 准教授)
「せっかく行こうかなと思った気持ちみたいなものをもう一度リセットし直して、またエンジンをかけ直さないといけないという、それぞれの頑張りが出てくるようには思います」

 新型コロナの感染拡大を受けて岡山・香川でも夏休みの延長や短縮授業を決めた自治体があります。香川の県立学校は9月12日まで夏休みが延長されました。

(香川大学 臨床心理学科/太田美里 特命助教)
「社会全体もそうですけど非常に流動的に状況が変化していくので、元々学校で問題がなかった子にとっても不安要素は大きいと思うんですけど」

 太田さんは、子どもたちが発信する「サイン」に注意してほしいと呼び掛けています。

 それが、食事や睡眠が取れなくなる、集中力が欠けている、イライラしている、外出を嫌がるなどです。

(香川大学 臨床心理学科/太田美里 特命助教)
「自分自身の心のしんどさに子ども自身も気付いていないっていうことが出てくると思う。ご飯をしっかり食べてしっかり眠るという、この基本が本当にストレスマネージメントで大事になりますので、ご家庭でも休み・休みじゃないに関わらず続けていっていただきたい」

 香川大学の太田先生によりますと、子どもからSOSのサインを受け取ったときには「TALK」の原則で対応してほしいということです。
 「T」は、言葉に出して相手に心配していることを伝えるtell。
 「A」は死にたいという気持ちについて率直に尋ねるask。
 「L」は死を考えるほど絶望的な気持ちに耳を傾けるlisten。
 「K」は子どもの安全を確保し専門家へつなげるkeep safe。

 大切なのは価値観を押し付けたり励ましたりせず、「聞き役」として話に耳を傾けることだということです。

 自殺予防の相談窓口です。

 いのちの電話 087-833-7830 (年中無休24時間)
 よりそいホットライン 0120-279-338 (年中無休24時間)
 こころの健康相談 0570-064-556 (月~金 日中)

 悩んでいる子どもやサインを感じとった周りの大人たちも一人で苦しまずに、まずは相談窓口などに連絡してみてください。

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