岡山市などを東西に横切る国道2号の慢性的な渋滞を緩和するため、立体化の工事が進んでいます。14日夜から15日朝にかけ、交差点をまたぐ橋げたが一晩で設置されました。
(記者リポート)
「今、午後10時を過ぎました。まもなく橋げたの移動が始まります」
工事に先駆け、交通規制や周辺のガードレールを取り除くなど作業スペースを確保しました。橋げたが設置されたのは、国道2号と岡山西バイパスが交わる岡山市の「大樋橋西交差点」です。
国の計画によりますと、2024年度中をめどに国道2号が立体化され、岡山西バイパスがその下をくぐります。
この交差点の1日の交通量は12万台を超えていて、工事は慢性的に起きている渋滞を緩和するのが狙いです。
重さ約615トン、全長60メートルほどの鉄の橋げたを持ち上げ移動するのは、4台の特殊車両。
1分間に進む距離は、1メートルから1.5メートル。じわりじわりと移動します。4台の車両のバランスを保つため、横同士は連結され、前後の車両は距離が適正になるようセンサーで制御しています。
工事を一晩で行うのは交通への影響を最小限にするためです。1時間以上かけ橋げたを移動しました。
(記者リポート)
「じりっじりっと調整しながら、少しずつ少しずつ橋脚を下ろしています」
平行移動の後は、橋げたを下ろす位置・角度の調整を繰り返します。午前3時ごろ橋げたを下ろしました。
また、橋げたの設置により周辺の信号が見えにくくなるおそれがあったため、信号の位置を下げて調整しました。
国土交通省は、岡山市南部から中心部への交通の分散のため、岡山西バイパスから南区藤田の国道30号までをつなぐ「岡山環状南道路」の建設を予定しています。
一夜にして設置された橋げた。国道2号の交差点の立体化は、岡山環状南道路の完成後の交通渋滞を防ぐため行われていて、2024年度中に完成の予定です。