視聴者の皆さんの声をもとにニュースをお届けする「みんなに聞いてみた」。今回のテーマは「好きな瀬戸内海の魚は何ですか?」です。
パークKSBアプリでアンケートを行い、それぞれの季節で人気の魚介類を調査しました。今回は夏と秋に旬を迎えるものの中から上位3種類を紹介します。
結果は夏はマダコが、秋はハマチ・ブリが1位となりました。今回は、夏が旬の魚ランキングで5位になった「ハモ」を紹介します。夏の京料理に欠かせない食材のハモ。実は、関西の高級料亭も岡山で捕れたハモを多く仕入れているんです。しかし、2020年から続く新型コロナ禍でハモを取り巻く状況が変わってきています。
「安い…」これまでに経験したことのないダメージを受ける浅口市寄島町のハモ
岡山県有数のハモの産地、浅口市寄島町。午前3時、約11時間かけて夜通し行われたハモ漁を終えた漁師の大室伴生さん(54)が港に戻ってきました。
大室さんは、新型コロナの感染拡大以降、これまでに経験したことのないダメージを感じています。
(大室伴生さん)
「高級魚が安い。ハモは京都が取ってくれるんなら、そこそこ値はするけど店が閉まっているから」
寄島漁港の市場ではハモを出荷する際、海水よりも10度ほど低い温度に設定した「冷却水槽」が使われています。このおかげでハモに輸送のストレスを与えず、県外にも活きた状態で出荷できるようになりました。
こうした工夫で、寄島町の鮮度の高いハモは価格が上昇し、漁獲金額はここ数年で急成長を遂げました。しかし、2020年は新型コロナで飲食店の休業が相次ぎ出荷量が減ったことなどから、前の年と比べて約250万円落ち込んでいます。
大室さんによると、ハモに限らずタイやヒラメなどの高級魚も同じように価格が落ち込んでいるということです。
(大室伴生さん)
「お店が閉まっとるのが痛いな、魚料理を出すお店が。あれが早くオープンして営業できるようになったらなぁ」
「食べてみたら美味しかった」が広がれば
コロナ禍で飲食店が休業している現状を逆手にとって、寄島漁協組合では地元のスーパーなどへの出荷に今まで以上に力を入れています。
(寄島町漁業協同組合/三宅秀次郎 組合長)
「手頃な値段で普段は食べられないハモとかをスーパーで手軽に食べられるのはいいことかなと。地元の方が『え?ハモ、寄島で獲れるんですか』と。で、食べてみたら『美味しかった』というふうなことで口コミで広がれば、さらなる販路拡大にもつながるのかなと思います」
岡山県は現在、四季折々の旬の魚を広く知ってもらおうと「おかやま旬の魚総選挙」を行っています(10月17日投票締め切り)。投票した方の中から抽選で、岡山県産の殻付きカキなど魚にちなんだプレゼントが贈られます。ぜひ投票してみたいという方は「おかやま旬の魚総選挙」で検索してみてください。