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“男性の育休”取得、なぜ進まない? 制度整うもまだまだ取得率低い現状は

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 その名の通り、視聴者の皆さんの声をもとにニュースをお届けする「みんなに聞いてみた」のコーナーです。
 今回のテーマは「男性の育休」です。

 6月、衆議院で、子どもが生まれた直後に男性も最大4週間の休みを取得できるいわば「男性版の産休」が新しく導入されることが決まるなど、制度面での整備が進められています。しかし、厚生労働省の調査によると2019年度の育休取得率は女性が83パーセントだったのに対して、男性は7.48パーセントと大きな開きがあります。
 「男性の育休」について皆さんに聞いてみました。

取得率低い「男性の育休」

 未就学児への遊び場の提供や、子育て相談などを行う香川県坂出市の「まろっ子ひろば」。この日はお父さんの姿はありませんでした。

(NPO法人 わははネット ひろば統括マネージャー/太田広美さん)
「平日は本当に少ないです。先週は1人いらっしゃいましたけど……そんな感じです」

(2児の母[専業主婦])
「(夫は育休を)一度も取ったことはないです。出世するのに育休を取ってしまうと3カ月なら3カ月分の評価が付かないので。パパが帰ってくるまでその場を持たせるのが精いっぱい」

(2児の母[専業主婦])
「私から『取らない方が家計的には助かるのかな』という話をして、結局は取らない方向で。名残惜しそうにというか、子どもにごめんよごめんよと言いながら仕事に行くこともあったので……」

 こちらの女性は2人目の子どもが生まれた後、夫が2週間の育休を取ったそうです。

(2児の母[夫が2週間育休を取得])
「上の子がおるんで、とりあえず上の子を見てとお願いしていました。他にお子さんがいるんだったら、その子たちだけでも見てくれるだけでありがたい」

男性の育休取得が進まない理由は?

 Park KSBアプリのアンケートでは女性の約6割が「男性に育休を取ってほしい」、男性の半数が「育休を取りたい」と回答しました。

 男性の育休取得が進まない理由を聞くと……「会社の理解がない」という回答が多くを占めました。一方、「育児は女性という考えが強い」「育児より仕事の方が大切そう」などの声も寄せられました。

男性の育休取得率が高い企業の“工夫”とは

 病院のシーツや白衣のクリーニングなどを手掛ける高松市の「トーカイ」は、香川県の中でも特に男性の育休取得率が高い企業です。

 「トーカイ」は、厚生労働大臣が子育てに力を入れる企業を認定する「くるみん認定」を2009年度から受けています。

(トーカイ 人事課/川脇梓 課長)
「元々女性の従業員は育児休業取得に関してほぼ100パーセントの取得ができていたんですけど、男性の育児休業に関しては全く進んでおらず。2015年に男性の育児休業の取得率を70パーセントまであげようという目標を掲げまして、2016年4月に育児休業の制度を変えました」

 トーカイは育休対象の人とその上司に育休を取ることを促す連絡をしています。また、育休の期間のうち3日分は給料を支払うなど会社の制度を変えました。その結果、2016年度以降の5年間で対象の男性42人のうち、7割を超える31人が育休を取ることにつながりました。

 久米祥矢さんも2019年、長男が1歳になる直前に2週間の育休を取りました。

(トーカイ/久米祥矢さん)
「僕から取得の話をさせてもらったんですけど本当に快く受け入れていただいて。公園に遊びに行ったりとか水族館に出掛けたりとか長い時間過ごせたので非常に有意義な時間でした」

「育休を取りたい」「取ってほしい時期」は?

 パークKSBアプリのアンケートでは、育休を取りたい・取ってほしい時期についても聞きました。その結果、子どもが1カ月になるまで……という方が半数以上を占めました。さらに男性の育休の期間については1カ月から3カ月が最も多くなりました。

  家庭によって事情は違うと思いますが、男性も女性も育休を取りたいと思った場合にはしっかりと取れるような環境づくりが進めばいいといいですね。

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