防災の話題をお伝えする「こつこつ防災」。今回は自治体の「備蓄」についてです。香川県の備蓄倉庫を取材。備えや工夫について探ってきました。
(赤木由布子リポート)
「香川県消防学校にある県の備蓄倉庫にやってきました。今回は香川県危機管理課の頼富さんに案内していただきます」
香川県は県立学校や県の出先機関など72の施設に備蓄をしています。中でも広さが630平方メートルほどある高松市生島町の倉庫は最大です。
(香川県危機管理課/頼富大空さん)
「(Q.気になったのが高さなんですが、どうしてこの高さなんですか?)一般的なトラックの荷台の高さと合うように作られています。そうすることで円滑な物資の運搬を可能にしています」
スムーズな物資の運搬のため倉庫の中にも工夫が。
(香川県危機管理課/頼富大空さん)
「(Q.備蓄倉庫の中はどういう構造になっている?)2階建てになっていまして、物資ごとにラックで管理しています。倉庫には2カ所スロープを設置していまして、2階部分の物資はスロープを通して運搬できるようになっています」
倉庫の1階には主に食料と水があります。
(香川県危機管理課/頼富大空さん)
「こちらは水のエリアになります。(Q.どれくらいあるんですか?)2万2000リットルです。ペットボトルにすると4万4000本」
水で戻すことができる「アルファ米」やビスケットなどの食料は2万6000食。この他にもさまざまな立場の人を想定した備えをしています。
(香川県危機管理課/頼富大空さん)
「(Q.2階にはどういったものを置いている?)2階には比較的軽い物資ですとか、更新までに余裕があるものを置いています。ここにはアルミのブランケットの寝袋タイプです。たくさんの物資を保管しないといけないので、コンパクトさも考えながら備蓄をするようにしています」
この他、携帯トイレや生理用品、紙おむつなども備えています。では、これらの物資は災害が起こった時、どのように配られるのでしょうか。
(香川県危機管理課/頼富大空さん)
「運搬については協定を締結している香川県トラック協会さんの協力のもと、運転手や車両も確保を行うよう計画しています」
しかし……
(香川県危機管理課/頼富大空さん)
「実際に災害が起こったときには、道路の被災などによってすぐに十分な量の物資を届けることができないと考えられます。その際に皆さんの命をつないでいくのは家庭でできる備蓄です。最低3日分、できれば1週間分程度の備蓄を行うようお願い致します」
市町村も含めた県全体の食料の備蓄は、2021年4月時点で香川県は「55万食」、岡山県は「126万食」です。
南海トラフ地震の被害想定をもとにした備蓄量の目標には岡山県は届いていない現状です。自治体の備蓄は家庭の備蓄を補完するものですので、各家庭での備蓄を進めてください。