明治時代の貴重な建築物がよみがえりました。岡山県の重要文化財、高梁市の旧吹屋小学校の保存修理工事が終わり、地元の人たちにお披露目されました。
旧吹屋小学校は貴重な文化財を後世に残すため2015年から保存修理が行われていました。9日の記念式典には高梁市の近藤隆則市長や地元住民の代表など約50人が出席しました。
旧吹屋小学校は、1900年に東西の校舎が完成。その9年後には本館が完成し、2012年3月に閉校となるまで国内最古の現役木造校舎として使われました。
保存修理では、建物すべてを解体し現状をできるだけ残しながら耐震補強や傷んだ個所の修復を行いました。
(記者リポート)
「昭和25年当時の姿に再現された旧吹屋小学校。明治時代のさまざまな建築手法を見ることができます」
本館2階、講堂の「二重折上棹縁天井」は室内を格調高い空間にしています。
屋根を支える小屋組みには洋風技術のトラス構造が採用されています。
また、東側校舎には明治時代の教室が再現されています
(市教育委員会/田村氏)
「古い材料、つまり建築部材であるとか、さらには瓦。こうした使えるものは全て最大限活用していくということで行っています。古いものをうまく使いながら修復をするという文化財的な修理が行われています」
式典には地域の人も参加しました。
(卒業生は―)
「本当に感無量ですね。とても、昔のことが思い出としてよみがえってきます。ここにいるだけで。2階の講堂で掃除をしたりしてると穴が開いていたりして、板に。そこにごみを落としたりして叱られたこともあります。そういった昔懐かしいものがそのまま残っている」
吹屋地区は2020年に日本遺産に認定されていて、今後、高梁市では旧吹屋小学校を観光の拠点にしていきたいということです。
4月21日には一般公開され、歴史資料の展示やイベントを予定しています。