5月5日は「端午の節句」。岡山県和気町のメーカーでは、こいのぼりの生産に追われています。
和気町の「徳永こいのぼり」では端午の節句を前に注文が増えていて、生産もピークを迎えています。作業場では従業員が裁断や裁縫などの作業を忙しく行っています。
徳永こいのぼりによりますと、こちらで生産されるこいのぼりは年間で約150万匹、国内シェアは約35%で全国トップです。
「徳永こいのぼり」の特徴は、日本画家だった創業者が描いた写実的なタッチのデザインです。その伝統は売り上げトップを誇る看板商品の「吉兆」に受け継がれています。
また一方で、住宅環境の変化に対応した室内用のポップなこいのぼりなど、新しい時代の商品づくりにも積極的に取り組んでいます。2022年からはAR(拡張現実)を利用した新しいサービスも提供しています。
(記者リポート)
「このスマホを使って、自宅の庭にぴったり合うこいのぼりを選ぶことができます。実寸大のこいのぼりが表示されます」
まずは「徳永こいのぼり」のホームページから希望のサイズのこいのぼりを選びます。次に、こいのぼりを揚げたい庭などの場所の映像を映します。すると、画面には泳いでいるこいのぼりの姿が現れます。
(徳永こいのぼり/徳永夕子 社長)
「立体的に見ることによって、ご自身のお庭とこいのぼりのサイズ感あたりを簡単にイメージできると思いますので、まずそこで見ていただいて検討していただきたいなと思っています」
少子化の影響でこいのぼり業界のマーケットは縮小傾向にあります。「徳永こいのぼり」では、お客のニーズに合った商品づくりとともに、伝統文化の継承にも取り組みたいとしています。
(徳永こいのぼり/徳永夕子 社長)
「こいのぼりも本当に長い歴史の日本の伝統文化ですので、親から子に愛情が伝わって、元気な子どもが育ってほしいという純粋な家族の絆、大事な思いみたいなものを伝えていけたらと思っています」