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【解説】消毒やパーティション…感染対策いつまで? 専門家「今が見直すチャンス」〈新型コロナ〉

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 新型コロナの感染対策について「見直し」の動きが出てきています。

 政府は5月23日、新型コロナの基本的対処方針を見直しました。そこには、屋外で会話をほとんどしない場合は距離にかかわらずマスクは「必要ない」。会話をする場合でも、2メートル以上の距離をとれば「必要ない」などの内容を盛り込みました。

 また、政府は6月にも今の新型コロナの対策を「見直す」方針を示しています。私たちの身の回りで行われている対策で言うと、不特定多数の人が触るドアノブやテーブル、椅子などのこまめな消毒や、トイレなどで手を洗った後のハンドドライヤーの使用中止、レストランのビュッフェなどでの手袋、飲食店でのパーティションなどがあげられます。

 「マスク着用」については見直しが進む中で、事業者からはこれらの対策をいつまで続けるのか、疑問の声も上っています。

デパートは「消毒液」だけでも月に約20万円の負担

 岡山高島屋でもさまざまな感染対策を行っています。例えば、トイレではハンドドライヤーの使用を中止。食品売り場のレジには飛沫(ひまつ)防止のビニールカーテンを設置し、お釣りなどは手渡しせず、トレーに置くようにしています。

(岡山高島屋 広報/片山進さん)
「百貨店協会っていう全国のがありまして、そこから各百貨店に指針が出てくると、それに基づいて(対策を)やってきたと」

 この他にも、多くの人が触れる場所などを1日に3回以上消毒するようにしています。岡山高島屋では、定期的な消毒や手指消毒用の「消毒液」に月に20万円ほどの費用が掛かっているということです。費用は全て店が負担しています。

(岡山高島屋 広報/片山進さん)
「経費が、いろんな負荷が掛かってくるんですけど、新型コロナでも大丈夫な百貨店ということで、お客さまに来ていただければ」

感染対策にもどかしさを感じるうどん店

 創業38年、岡山市の「セルフうどん たぬき屋」。コシがありもっちりとした食感が人気のうどん店です。

 店内のテーブルには対面で飛沫が飛ばないようパーティションを設置していますが……。

(セルフうどん たぬき屋/宮崎大輔 店主)
「やめてもいいんじゃないかなと思うのは『パーティション』。(声が)聞こえないし、(会話が)弾まないですよね。お父さんお母さんとちびっ子で顔見えずにやってるのを見ると、外しましょうかって言ったら外してくださいっていうことになって、その辺はあいまいな状態ですね。家族の中でパーティションがあるっていうのは」

 この他、もどかしさを感じているのが、うどんを温めるときや天ぷらを取るときのために用意している「使い捨ての手袋」です。

(セルフうどん たぬき屋/宮崎大輔 店主)
「お支払いのときに外さないといけないとか、やりにくそうなんで気の毒だったんですよ。やめたいのはずっとやめたいです。はっきり言ってどれもね。『きょうからやめてください』っていうのが国なり自治体なりから指示がもらえたら。お客さんや従業員を守るような意味でも、一番乗りでやめるのは勇気ないですね」

 街の人に「やめてもいい」と感じる対策を聞いてみると……。

「テレビでやってるじゃないですか、バイキングとかで使い捨ての手袋はいらないと思いますけど」
「飲食店とかで1席空けるとかはいらないと思います。距離を1席空けたところでそんな変わらないかなと思ってて」
「(飛沫防止の)クリアボードもいらないと思います。しゃべったら飛び越えて横の人にも(飛沫が)いっちゃうし」

専門家「今が感染症対策を見直すチャンス」

 政府の予防接種・ワクチン分科会のメンバーでもある川崎医科大学の中野教授は、感染症対策を見直すのは今だと考えています。

(川崎医科大学/中野貴司 教授)
「大型連休であれだけ人の動きもあっていろんな意味での接触の機会が増えたと思うんですが、幸いに感染者の数は爆発的に増えていないですよね。今はタイミングとしてはチャンスだと思います」

 今行われている感染対策の一部について、中野教授に見解を聞きました。

 まず、事業者側に費用の負担が掛かる、不特定多数が触る場所の「こまめな消毒」。これについては「そこまで必要ではないのでは」ということでした。中野教授は、消毒したからといって完全に感染を防げるものではないので「実効性は低い」としています。

 続いて、飲食店にある「パーティション」。対面に設置しているものについても「そこまで必要ではないのでは」ということです。

 対面で座ったときに真ん中にパーティションがあると相手の声が聞こにくくなり、そのぶん「大声」になる恐れがあります。これによってかえって飛沫を周囲に飛ばす可能性があるということでした。

 そして、料理を取るときなどの手袋も「必要ない」という意見でした。反対の手で手袋をつけたり外したりするので逆に「不衛生」なのではないかということでした。

 それぞれの効果に関してはいろいろな意見があると思いますが、中野教授はしっかりと「評価」して「検討」することが大事だとしています。

(川崎医科大学/中野貴司 教授)
「いろんな対策、頑張ってやっているんですが、その評価って大切だと思うんです。効果があったことは継続したらいいし、効果がないのに続けることは負担だけが多くて良くないと思っています。行動様式を変えることによって、さらに患者さんが増えないのかとか、感染予防の効果が衰えないのか評価がしやすいと思うんですよね」

専門家が考える「続けるべき対策」とは

 さまざまな対策を評価した中で中野教授が「続けるべき」と考えているのが「手指消毒」です。

(川崎医科大学/中野貴司 教授)
「手指消毒。消毒じゃなくてもいいですから、流水で手を洗う。自分でできることだし、どこででもできることだし、この手は環境(周囲)も触るわけだから、環境(周囲)を汚れたものにしないって意味でも、私は意味があると思っています」

 この他にも中野教授は「密集を避けること」や、バスや電車などの「公共交通機関でのマスク着用」も、感染を広げないために続けるべきだとしています。



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