開幕まであと4日と迫った高校野球・夏の甲子園。岡山大会を制した球児たちはそれぞれの思いを胸に夢の舞台に乗り込みます。
4年ぶり3回目の甲子園の切符をつかんだ創志学園。その優勝を決めた選手たちの表情は笑顔から涙に変わりました。
(創志/横井寿海 主将)
「苦しい試合だったんですけど、最後は全員で勝ち取れたと思う。監督さんを絶対甲子園に連れて行くという気持ちで最後の夏やって来たので」
創部当時から創志学園を率いる長澤宏行監督が、この夏限りでの退任を表明。監督と過ごす最後の夏、夢舞台へたどりつきました。
(創志/長澤宏行 監督)
「(今大会は)しんどかったです。毎試合毎試合、子どもにどういう声掛けたらいいのかなってちらっと考えると弱気になって、自分との戦いでした。いや~もううれしいです。人生の中でも一番いい試合だったと思います」
その長澤監督が絶対的な信頼を寄せるエースが、岡村洸太郎です。入部後に長澤監督のすすめでサイドスローに転向した岡村。140キロ中盤の力強いストレートを武器に岡山大会をほとんど1人で投げ抜きました。
(創志/岡村洸太郎 選手)
「自分でずっとやっていたらそういう(サイドスローにする)発想にはなっていなかったと思うので、感謝しています。1試合でも長く監督さんと試合ができるように、絶対に一戦一戦勝っていきたい」
今大会、その岡村をリードしたのは2年生のキャッチャー・竹本佑。優勝を決めた瞬間は歓喜の輪に入ることができないほど泣き崩れました。
(創志/竹本佑 選手)
「本当にうれしいですね。安心しています」
小学6年の時には、岡山県選抜のキャプテンを務めた竹本。エースで4番として活躍し、当時から注目を集めました。
(当時小学6年生/竹本佑 選手)
「高校生になったらまずは甲子園に出て、大谷選手みたいにメジャーリーガーで活躍するのが夢です」
高校2年生でたどり着いた夢舞台。活躍を届けたい人がいます。
(創志/竹本佑 選手)
「天国のお父さんにいいプレーを見せられたらと思います」
幼いころから竹本の夢を支えてくれていた父・壱さんが2021年11月に亡くなりました。竹本は壱さんに甲子園での活躍を誓っていました。
(創志/竹本佑 選手)
「最後亡くなる直前には『絶対甲子園行くから』って泣きながら言ってて。かなえられて良かったなと思います。お父さんが怒らないような思い切りプレーができたらいいなと思います。(Q.どういうプレーしたら怒られるの?)弱気になったらだめなので、常にフルスイングで頑張りたい」
決勝の2日後、聖地に向けて再始動した創志。竹本も大粒の汗を流し、聖地へと気持ちを切り替えました。
(創志/竹本佑 選手)
「この2日間はしっかり甲子園に向けてどういうことをしたらいいか考えていました。お父さんはヒットとかじゃなくてホームランを見たいって常に言っていたので、大きなホームランを打つという目標とキャッチャーとしても大きな声でチームを引っ張りたい」
夏の甲子園は3日に組み合わせ抽選会が開かれ、8月6日に開幕します。