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被害のきっかけには共通点も…岡山県で相次ぐ特殊詐欺 手口の特徴と有効な対策は?

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 岡山県で特殊詐欺の被害が後を絶ちません。2022年1月から8月末までの被害額は2億円を超えています。最近の特殊詐欺の特徴や対策を取材しました。

 2022年、岡山県で発生した特殊詐欺被害の一例です。

 被害者は、岡山市に住む70代の女性。ある日、自宅の電話に証券会社の社員を名乗る犯人から「外国通貨を優先的に買える権利があるが、買わないなら権利を譲ってほしい」と電話がありました。

 女性が権利を譲る旨を伝えたところ、後日、別の証券会社などの社員を名乗る犯人から電話があり「名義貸しは犯罪だ」などと言われた上で、「示談で済ますにはお金を振り込んでもらう必要がある」と、名義貸しトラブルを避ける名目で現金の振り込みや郵送を繰り返し要求されました。

 最初の電話から約2カ月後、犯人側と連絡が取れなくなったため女性は金融機関に相談し被害が発覚。約4200万円をだまし取られということです。

 このほかにも市役所の職員を装って「払いすぎた保険料がある」とうその電話をかけてくる「還付金詐欺」や、警察官を装って「あなたのキャッシュカードが犯罪に使われている」などと言ってカードをだまし取る「キャッシュカード詐欺盗」の被害も多く出ています。

 岡山県警のまとめによると、2022年1月から8月末までの県内の特殊詐欺被害は認知件数が107件、被害額は約2億3040万円でした。

 2021年の同じ時期と比べると、件数・被害額とも増えています。特に件数は、8月末の時点で、2021年1年間の114件にあと7件まで迫っています。

 警察は特殊詐欺被害のきっかけには共通点があるとしています。

(岡山県警察本部 生活安全企画課/山本直希 課長補佐)
「自宅の固定電話にかかってきた電話、これが始まりとなっています。犯人と直接会話をしない、話をしてしまわないようにするっていうのが大きなポイントになると思うんですね。ですので、自宅の固定電話に対する対策を取っていただければこれらの詐欺の多くは防げるものだと考えております」

 具体的には「防犯のため通話を録音している」旨を事前にアナウンスする「防犯機能付き電話」の導入。また、常に留守番電話にしておき相手のメッセージを一度聞いてから折り返す、といった方法が有効だとしています。

(岡山県警察本部 生活安全企画課/山本直希 課長補佐)
「ATMの前で電話で指示を受けながら触らなきゃいけないようなことっていうのは通常あり得ないんだっていうことで、皆さまもATMコーナーで電話を使われている方がおられたらぜひ積極的に声掛けをしていただければと思います」

 この日、山本課長補佐らはJAバンク岡山が毎年職員向けに開いている特殊詐欺被害を減らすための研修会に講師として参加しました。JAバンク岡山ではこうした研修会を年に数回開いて職員の防犯意識の向上を図っています。

 また、JAの農産物の直売所など銀行の窓口以外に特殊詐欺被害への注意を呼び掛けるポスターを貼るなどして、被害撲滅に力を入れています。

(農林中央金庫岡山支店/大山知輝 副支店長)
「特殊詐欺被害がなかなか減らないという現状がよくわかりまして、我々、金融機関としてもしっかり利用者の方に注意喚起していく必要があると感じました。新しい手口をJAバンクの窓口でも徹底してこういう形で利用者の方が詐欺に遭う可能性があるということで注意喚起を常にやっていく必要がある」

 6月には、岡山南警察署が管内のスーパーマーケットで従業員に防犯訓練を開くなど、警察と民間が一体となって特殊詐欺対策に臨んでいます。

 山本課長補佐はこの日、地元の金融機関やスーパーマーケット、デパートなどのATMでの対応が特殊詐欺の被害を食い止める「最後の砦」だとして、積極的な協力を呼び掛けました。

(岡山県警察本部 生活安全企画課/山本直希 課長補佐)
「犯人側はしょっちゅう手口を変えてきています。発生している状況を分析して、よりタイムリーに情報発信をしていって、今何に注意したらいいのか、どういった対策をしたらいいのかということを積極的に発信していこうと思っています」

 岡山県警は地域の防犯情報などを発信するメールサービス、「ももくんももかちゃん安心メール」でも特殊詐欺の具体的な手口などを紹介しています。少しでも心当たりを感じた方は、一人で抱え込まずにまずは誰かに相談するようにしましょう。

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