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【解説】5類移行でコロナ禍の「当たり前」に変化? 暮らしやワクチン接種、医療費は

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 5月8日に新型コロナの法律上の位置付けが「5類」に引き下げられます。コロナ禍では飲食店のテーブルにパーティションが置かれたり、さまざまな場面での手の消毒や検温をしたり、距離をとるための工夫をしたり……さまざまな「感染対策」が生まれました。こうした光景が8日以降は変わりそうです。

買い物客らでにぎわうショッピングモールでは――

(イオンモール岡山/藤本康久 ゼネラルマネージャー)
「ゴールデンウィークに入りまして、前年を上回るお客様に来館をいただいております」

 5月2日。「イオンモール岡山」は多くの買い物客らでにぎわっていました。2023年は2022年のゴールデンウィークよりも1割の売り上げアップを見込んでいるということです。

 そうした中、8日以降はこのモール内の光景が変わってきそうです。

(松木梨菜リポート)
「4階のフードコートです。それぞれのテーブルにつけられている飛沫防止のアクリル板が8日からは全て外されます」

(来店者)
「(パーティションが)なくなるっていうのは前の日常に戻るってことなのでうれしい気持ちもあります」

 約1000席あるフードコートでは150席にまだパーティションを付けていましたが、これを全て「撤去」します。

 また、レジの前の床についている「足跡マーク」。お客さん同士の距離を取るためにつけたものですが、これも8日以降に「なくす」方針です。

 このほかにも……。

(松木梨菜リポート)
「消毒液と体温を測る機械の設置はまだ続けますが、半年から1年後には撤去も検討しているということです」

(イオンモール岡山/藤本康久 ゼネラルマネージャー)
「段階的にコロナの状況から脱していく形になると思いますし、イオンモール自体も徐々に通常に戻していく形になると思います」

 また、「マスク」についても変化が……。

 3月にマスク着用が個人の判断となったあとも従業員はマスクを着けるようにしていましたが、8日以降はそれぞれのテナントの判断に任せるとしています。

 また、イオンモール岡山は買い物客の意識の変化も感じています。

(イオンモール岡山/藤本康久 ゼネラルマネージャー)
「20%ほどのお客様がマスクを取られてのお買い物。生活の中で我慢されたりとか、耐え忍ばれたことがたくさんあると思いますので、マスクなしであったり、コロナウイルスのことを気にすることなくお買い物を楽しまれているのは、ご来店いただいてありがたいなと思いますし、テナント様と協力して岡山の街を盛り上げていけたらと思っています」

感染状況の公表は?

 新型コロナの5類移行によって、このほかにも変化があります。

 感染状況に関しては日々の感染者数の発表がなくなります。

 感染症法での位置付けが季節性インフルエンザと同じ「5類」になるため、今後は季節性インフルエンザと同じように、指定した医療機関から週に1回報告を受ける「定点把握」に変わります。定点医療機関は全国で約5000カ所あります。

 また、岡山・香川両県が運営していた宿泊療養所も「閉鎖」します。

専門家「手洗いなどの対策は続けて」

 徐々にコロナ禍前の状態に戻りつつありますが、専門家は手洗いなどの対策は続けてほしいと呼び掛けています。

(川崎医科大学/中野貴司 教授)
「いろんな意味でコロナ以前の生活が戻ってきているのは、ある意味いいことではあると思いますから、ただ決してこのウイルスが消えてしまったわけでもないですので、再度流行が大きくならないか注意しながら最低限の感染対策を続けていく。そういう流れになるかなと」

学校現場ではどう変わる?

 8日からは学校現場の対応も変わります。

 例えば、岡山市は児童・生徒が感染した場合の出席停止期間を最短で発症の翌日から7日間としていましたが、8日からは最短で5日間となります。

 このほか、これまで毎日体温などを記入して提出していた「健康観察記録表」は提出しなくてよくなります。

 また、教員などが行っていた定期的な消毒作業もなくなります。

 ただし、児童・生徒の手の消毒についてはしばらく続けるということです。やはり全ての対策を一斉にやめるという状況ではないようです。

新型コロナのワクチン接種は?

 では、新型コロナのワクチン接種はどうなるのか専門家に聞いてみました。川崎医科大学の中野貴司教授は、政府の予防接種ワクチン分科会のメンバーでもあります。

(川崎医科大学/中野貴司 教授)
「今年度はまだ特例臨時接種で延長される形になります。国民の皆さん全部に機会が与えられるのは令和5年(2023年)の秋開始接種の予定です。9月以降ぐらいになるかなと思います 」

 5類に移行しても季節性インフルエンザとは違い、新型コロナのワクチン接種は2023年度も自己負担なしで受けることができます。

 1回目と2回目の接種を終えた65歳以上の高齢者や基礎疾患がある人、医療従事者は5月8日に次の接種がスタートします。

 基礎疾患などがない一般の人は2023年9月以降に始まる予定です。

 2024年度以降、自己負担が発生するかどうかはまだ決まっていません。

 一方、新型コロナに関する医療費は現在「原則自己負担なし」となっていますが、8日以降は自己負担が発生します。

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