新型コロナの感染症法での位置づけについて、政府はこの春にも季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げる方針を固めました。マスク着用についてはどこまで緩和されるのか、引き下げにより私たちの暮らしはどう変わるのか、専門家に聞きました。
引き下げについて検討する国の感染症部会のメンバーでもある、川崎医科大学の中野貴司教授です。
(川崎医科大学小児科学/中野貴司 教授)
「ピークを越えて減ってきていますので、今の流行の波は落ち着く方向に。XBBとか新しい変異株が流行するんじゃないかと言われましたけれども、それが思いのほか感染拡大するウイルスにならなかったのかもしれないですね」
そうした中で政府は、新型コロナの感染症法での位置づけを、早ければ4月にも現在の「2類相当」から季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げる方針です。
これまで法律に基づいて患者や濃厚接触者に外出自粛を要請してきました。引き下げにより、緩和される見通しですが「弊害」もありそうです。
(川崎医科大学小児科学/中野貴司 教授)
「ほかのことがこれだけ規制を緩める方向で進んでるわけですから、病気の感染管理だけ厳しくやってるっていうのは、いろんな意味で合わなくなってきている。逆にそこを緩めたことによって、余計感染拡大が起こって、いろんな弊害を生み出さないように、どのようにそこを緩めていくか」
そうした中でマスク着用についても「緩和」する方向で検討されています。
現在、屋外では会話をしなければ「原則不要」です。一方、屋内では会話をほとんどしない場合や距離が確保できている場合を除き「着用」することが推奨されていますが、屋内についても「原則不要」とする案で検討されています。
これについて中野教授は、慎重に検討すべきだと考えています。
(川崎医科大学小児科学/中野貴司 教授)
「原則不要ってことになるんでしょうね。ただそれでその空間には行きたくないって人もいると思うんです。(マスクを)することに関しても、しないことに関しても、同調圧力がかかってしまうと、変な分断を生むような気がして、分断につながらないような指針ができるといいな」