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【解説】預け先どうする?ニーズ高まる学童保育…民間企業参入も 専門家「『放課後格差』なく等しく保障する仕組みづくりを」 岡山市

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 今回は親が働いている間の「子どもの預け先」について考えます。
「子どもだけの留守番は虐待」などとするいわゆる「留守番禁止条例案」が埼玉県議会で提案され、その後取り下げられたことが全国的な話題となりましたが、親が働いている間の子どもの預け先については、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
 特に岡山市では放課後児童クラブ(学童保育)のニーズが高まっています。

学童保育の今…課題も

 岡山市北区の大元小学校の放課後児童クラブ「おおもと」では、小学1年から6年までの約140人の児童が利用していて、定員いっぱい預かっています。

 利用料金はおやつ代を含めて小学3年生以下は月額9000円、小学4年生以上は月額6000円です。

 支援員をこの3年で3人増員。2022年からは子どもの定員を20人増やしました。それでも……。

(大元小の放課後児童クラブ「おおもと」/野村充美 支援員)
「小学校に入学する人数は減ってる。昨年も2クラス減ったから。(学童保育に)申し込まれる人数が少なくなるかなと思ってたら、倍ぐらいの申し込み者があってびっくりしました」

 現在は2カ所で子どもをみていますが、スペースは足りていません。

 その一つの部屋は多い時には約100人が利用。宿題をする子どもたちで部屋はいっぱいになります。

 岡山市のまとめによると、岡山市の放課後児童クラブに在籍している子どもの数は、2015年には5822人でしたが、2023年は5月時点で9410人でした。
 待機児童の数は2015年には22人でしたが、2023年は193人となっています。

 子どもの数だけでなく「預かる時間」も増えています。

(大元小の放課後児童クラブ「おおもと」/野村充美 支援員)
「お母さんが走って来られる。そんな姿を見て、預かり時間を午後6時から6時半に延ばした。それでもどうしてもっていう場合は、午後7時まで延長という段階に来ている」

 延長に対応しているものの、実際には「もっと長く預かってほしい」という声もあるそうです。

(大元小の放課後児童クラブ「おおもと」/野村充美 支援員)
「学校の空いてる教室とかも貸していただけたらと思うんですけど、じゃあ午後7時まで子どもが利用してて誰が鍵をしめるのかって。子どもが安心して過ごせるように新しい施設を建ててもらえたら一番いい」

 放課後児童クラブをめぐってはニーズがさらに高まるという推計もあります。岡山市は、2024年度の申込数が2023年度より600人以上多い1万50人になると推計しています。
 それに伴い、2023年5月時点で193人だった待機児童は2024年は600人に増えると予想しています。

 待機児童の増加の理由の一つには「働く親」が増えたことがあげられます。そして岡山市が就学前の保育環境を「改善」したことが、その背景にあると考えらます。

 岡山市の認可保育園に通う園児は子どもの受け入れ数は2016年から2021年にかけて2割増えました。(2016年4月:1万4975人⇒2021年4月:1万8039人)

 市の調査によると、これに比例するように働くお母さんも2割増えたということです。

 岡山市は放課後児童クラブに関しても受け入れ枠を増やそうと動いていますが、ニーズに追いついていないのが現状です。
 そんな中、民間企業も学童保育に参入しようと準備を進めています。

民間参入「学童×習い事」

 2024年春のアフタースクール開設を目指しているのが、岡山市の老舗スポーツクラブ「OSKスポーツクラブ岡山」です。このアフタースクールの特徴が「習い事もできる」という点です。

 さらに、書道や英会話、バレエなどの習い事もできるようにする予定で、アフタースクールの開設に先立って「書道」と「英会話」の教室を始めました。

 定員は50人ほどを予定、延長すれば最長で午後7時半まで預かってくれます。
 アフタースクール自体の料金は、週2回利用で月額2万2000円から。習い事は種類を増やすごとに追加料金がかかります。

(岡山スポーツ会館 経営企画部/中井崇之 マネージャー)
「同じことをずっとしててもいけないかなと思ってますし、うちにとっても新たなチャレンジだと思ってます 

 OSKはコロナ禍の中小企業を支援する国の補助金を活用し、スポーツクラブの横に専用の施設を建てました。スイミングから書道まで10種類の習い事は全て同じ敷地の中で利用することができます。

 このほかにも…。

(岡山スポーツ会館 経営企画部/中井崇之 マネージャー)
「スクールバスで近くの小学校までお子様をお迎えに行くサービスを考えております」

(保護者は―)
「慣れてる場所であるので子どもも親も安心して通えるかなと思います」

 OSKが運営する「アフタースクール」は21日から説明会を開き、利用者の募集をスタートします。

(岡山スポーツ会館 経営企画部/中井崇之 マネージャー)
「働きながらのお母さんにとっては平日習い事をさせようと思ったら仕事を早く切り上げてとか、すごいスケジュール調整で動かないと厳しい環境になってまして。ライフスタイルに組み込んでいただけたらと思ってます」

 こうした動きを学童保育の専門家は……。

(中国学園大学・中国短期大学/住野好久 副学長)
「放課後の子どもたちの生活を豊かに保障していくためには放課後に多様な選択肢があることが大切だと思っています」

 その上で今後は児童の「放課後格差」が課題だと考えています。

(中国学園大学・中国短期大学/住野好久 副学長)
「家庭の経済的な格差が子どもたちの『放課後格差』を作り出すといわれていますので、利用に対しての補助金のようなものを出すなり、行政が放課後の子どもたちを等しく保障していくような仕組みづくりを考えていくのが大切ではないかと思っています」

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