江戸時代に活躍した浮世絵師、葛飾北斎と歌川広重の特別展が岡山市の岡山県立美術館で開かれています。
葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景」です。江戸時代の後期、1831年から1833年ごろにいろいろな場所から見える富士山を大胆な構図で描いた作品のシリーズです。
「富嶽三十六景 尾州不二見原」は、丸い大きな桶の中に四角い田んぼと小さな三角形の富士山が見えるおもしろい構図の作品です。
「富嶽三十六景 凱風快晴」は夏の朝の風景です。朝焼けに染まる富士山とうろこ雲が浮かぶ青い空が、鮮烈な印象を与えます。
期間中は「富嶽三十六景」の46作品全てが公開されます。
岡山県立美術館で開かれている特別展には、葛飾北斎と歌川広重の作品など合わせて213点が展示されています。
歌川広重の出世作「東海道五拾三次之内」です。東海道の宿場の風景を描いた作品のシリーズです。
「東海道五拾三次之内 庄野 白雨」では、突然の夕立ちに帰りを急ぐ旅人の姿が描かれています。
また、江戸の風景を描いた広重の代表作「名所江戸百景」のシリーズ作品も展示されています。
(記者リポート)
「歌川広重の遺言状が展示されています。特別展では名作とともに、2人の人生をたどることもできます」
(訪れた人は―)
「すばらしかった。北斎はちょっと大胆で広重は鮮やか」
「良かった。時間が足りないぐらい」
「あんなに一生懸命ライバル意識を持っていた広重さんが62歳で亡くなるということにすごいショック」
(岡山県立美術館/鈴木恒志 学芸員)
「ただ名品だけを紹介するというものではなくて、まさにその北斎が富嶽三十六景に至るまでどういうことをしてきたか、そしてそれを受けた広重がどういう風景画を描いていったかということですね。2人の挑戦の様子を探る展覧会になっています」
特別展「北斎と広重 富嶽三十六景への挑戦」は7月7日まで開かれています。