岡山市に、毎朝ごみ拾いをしている中学生と小学生の兄妹がいます。きっかけは大好きな動物がごみを食べて死んでしまったこと。2人は同世代を巻き込んで、ごみのない世界を目指そうと環境保護団体を立ち上げました。
岡山市の中学3年生、丸内陽仁さんと、妹で小学6年生の志織さん。
登校前の午前6時から、家の周辺でルートを決めてごみを拾っています。無理なく毎日続けられるように1日10分間と決めていて、この日で112日目でした。
(丸内志織さん)
「1人が1日3個拾えば、1年で1000個になるからです!」
集めたごみは一度広げて分別し、数を数えます。どこにどんなごみが落ちていたか、データを集めて今後の効率的なごみ拾いに役立てます。
(丸内陽仁さん)
「たばこが多くて、大人が悪いみたいになっちゃうんですけど、実は自分みたいな子ども、ちっちゃい子どもとかのごみもあるから、それに気づいてほしい」
(丸内志織さん)
「(ごみが)風に流されてか、用水路から川とかにいって、海にいって、動物の命が亡くなったりすることもあるから、気を付けてほしい」
2人が環境問題に関心を持ったきっかけは、大好きな生き物が死んでしまったことでした。
(丸内陽仁さん)
「一つは(沖縄の)美ら海水族館でジンベイザメがプラスチックを食べて死んじゃったっていう展示を見て、自分がジンベイザメが大好きだったんですよね、魚の中で。悲しくなって行動しようってなったのが一つ」
(丸内志織さん)
「もう一つが知り合いの視覚障害者の方の盲導犬が道に落ちていたマスクを食べて死んでしまったっていうことを聞いて、人間のせいで苦しむ動物がいるならいけないなと。私たちが行動しなきゃってなって始めました」
3年前から、2人は、海岸や河川、用水路の清掃など環境に関するイベントに50回以上参加してきました。その中で、生活ごみが陸から海に流れていっていることや、「マイクロプラスチック」が生態系に与える影響などについて理解を深めました。
2025年3月、2人は同世代を巻き込みたいと環境保護の団体を立ち上げました。団体名は「仲間」を意味する「Crew」です。
(丸内志織さん)
「他人事の人が多いから、クラスの人でも」
(丸内陽仁さん)
「他人事じゃなくて自分事として捉えてもらえるようにという願いも込めたのが『Crew』です」
メンバーは60人ほど集めたいとしていて、チラシを作って公民館に置いてもらったり、SNSで発信したりして呼び掛けます。
(丸内陽仁さん)
「俺はSNSとかそういう系が全くできなくて、そこの点に関しては志織がやってくれる」
(丸内志織さん)
「実際に声を掛けてくれるのはお兄ちゃんが多い」
(丸内陽仁さん)
「2人で1つみたいな感じです。俺が仲間を見つけて、志織が作って、さらに広げるみたいな感じ」
団体は、夏休みとなる8月から本格的に活動する予定で、公園や用水路の清掃のほか、海岸などでマイクロプラスチックの調査なども行います。また、早ければ2026年度中のNPO法人化を目指します。
「仲間」を集めて、ごみを減らしつつ、ごみを捨てない「仲間」を増やしていきます。
(丸内陽仁さん)
「ごみを拾わなくてもいい世界にしたいなと思っています」
(丸内志織さん)
「ごみを拾っていたという時期があったことが歴史になるくらい、きれいな世の中になったらいいなと思っています」
団体のHP:https://lit.link/Crew
問い合わせ先:team.maru2050@gmail.com