2025年5月、岡山県新見市が小中学生を対象にした無料の塾を開きました。基礎学力を向上させるため、ある勉強に狙いを絞っているんです。
新見市が2025年5月にオープンした「寺子屋にいみ」。小学4年生から中学3年生を対象にしていて、新見市内の小中学生なら誰でも無料で通うことができます。
使っているテキスト代も無料。現在は新見市の児童・生徒の10分の1以上にあたる約170人が通っています。先生は地元の新見公立大学に通う大学生です。
(中学1年生―)
「学校よりも細かく教えてくれるから分かりやすい」
「(夏休みは)英語の単語を覚えられるようにしたい」
(中学2年生は―)
「基本を学べたから定期テストの点も良くなって、来てよかったなって思っています」
生徒の評判も上々のようです。
(指導する新見公立大生)
「『分かった!』って言ってもらえるとすごくうれしくて、教えがいがあるなって思っています」
「今まで新見市に来て子どもたちと関わることがなかったので、関わりながら一緒に勉強できることがとても楽しいです」
(新見市教育委員会 教育連携推進課/西川康裕 課長補佐)
「学習習慣を定着させて基礎学力の向上を図ることを目的としています」
この塾は、「全国学力・学習状況調査」の成績向上や都市部と地方の教育格差の解決を目指して市が塾を開くという新見高校の生徒のアイデアに、新見市が地元企業からの寄付金をあて実現しました。
2024年度の「岡山県学力・学習状況調査」の結果です。全国平均からどれくらい離れているかを示す「標準スコア」が、新見市は中学1年生や中学2年生の英語などで岡山県全体のスコアを下回っています。
塾では基礎学力向上のため、ある勉強に狙いをしぼっています。
(記者リポート)
「個別指導をしているこの塾、実は英検、漢検などの検定合格を目指した塾なんです」
この塾での目標の1つが英検・漢検・数検などの検定合格。入試合格を目指す民間の塾との差別化を図りました。
(中学2年生)
「今英検準2級の勉強をしています。(目標は)卒業までに準2級を取ることです」
(指導する新見公立大生)
「正答率とか成長が見られて、実際に先月英検受けて合格していて、成長しているんだなって思いました」
新見市によりますと、「寺子屋にいみ」は岡山県の市では初めてとなる公営塾。生徒数は市の想定を上回るペースで増え、市は今後さらに広げていきたいとしています。
(新見市教育委員会 教育連携推進課/西川康裕 課長補佐)
「新見市はとても広いのでここに通うことが難しい児童・生徒さんのために、オンラインの講義も将来的にできれば、寺子屋に通うことで勉強することが楽しいと思ってくれる子が増えてもらえたらうれしい。やがては新見市で活躍してくれる人材に育ってくれることを祈っています」