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「耐震診断書を読み違え、危険性を誇張」民間団体が主張 旧香川県立体育館巡り県・県教委と2回目の面談

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 旧香川県立体育館の民間資金による再生を提案する団体と県、県教委との2回目の面談が11日、行われました。民間団体は「県側が耐震診断書を読み違え、危険性を誇張している」と主張しました。

 建築家らが設立した「旧香川県立体育館再生委員会」のメンバー2人が香川県庁を訪れ、香川県教委の保健体育課と県の営繕課の合わせて8人と面談しました。

 冒頭のみ撮影が許可され、非公開で約2時間、旧県立体育館の安全性について意見を交換しました。

 香川県は大地震の際、「建物が倒壊する危険性があり安全確保のため、解体を急ぐ必要がある」としています。その根拠として、2012年に丹下都市建築設計(現・TANGE建築都市設計)が行った耐震診断の結果を挙げています。

 一方、再生委員会側は複数の構造の専門家の意見をもとに「屋根の一部の落下はあっても建物全体が倒壊する危険は想定されず、再生に向けた協議に応じる時間はある」と主張しました。

 2025年8月28日の1回目の面談の際に香川県側に伝えましたが、池田知事は会見で「見解の違い」だと述べました。

(香川県/池田豊人 知事[8日])
「地震時の危険は無いのではないかとおっしゃられている、こういう見解の中で、お譲りをして、お任せしてというのはどうなのだろうか、適切ではないのではないかと考えております」

 このため、再生委員会側は11日の面談で香川県側が耐震診断書を「読み違えている」と指摘したということです。

(旧香川県立体育館再生委員会/長田慶太 委員長)
「知事が言われる見解の違い、倒壊するという言葉、そこに大きな誤りがあることをきちんと伝えさせてもらいました」

 再生委員会は、2012年の診断は「あえて弱点をあぶり出し、よりよい耐震改修を行うため4本の大柱を考慮しない簡略化されたモデルで解析されている」とし、「解体の根拠として使うものではない」と主張。

 TANGE建築都市設計はKSBの取材に対し「診断から12年以上が経過し、現在の建物の状態には関与しておらず、県側の考えについては判断しかねる」としています。

(旧香川県立体育館再生委員会/長田慶太 委員長)
「第三者の意見も聞かぬまま県の独自で(耐震診断結果の)文言に振られて、ものを判断していったというのが今ここにある『倒壊する』、『危ない』、『がれきが飛ぶ』みたいな極端な誇張表現につながっていったんじゃないか」

 出席した香川県教委の担当者によると「面談はあくまでも話を聞くというスタンスのため、県側から具体的な反論はしていない」ということです。

 香川県と県教委は旧県立体育館の安全性に対する見解について県民に説明する場を持ちたいとしていましたが、12日午後、教育長が記者会見を開くことになりました。

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