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旧香川県立体育館の解体理由は 県は緊急輸送路への影響を主張も…耐震診断では「災害時の輸送確保可能」

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 建築家・丹下健三が設計した旧香川県立体育館の解体工事の業者を決める入札が2日から受け付けられます。香川県は解体を急ぐ理由として、大地震の際、緊急輸送路がふさがれてしまう懸念を挙げていますが、耐震診断では「災害時の輸送確保は可能」とされていたことが分かりました。

(記者リポート)
「旧香川県立体育館の前の道路は災害時の緊急輸送路に指定されています。県は地震によって建物が壊れ、そのがれきによって道がふさがれることを懸念しています」

 香川県と県教委は2023年2月に旧県立体育館の解体方針を表明して以来、議会や会見の場で「緊急輸送路への影響」を繰り返し主張していました。

 KSBは、香川県が2012年に丹下都市建築設計に委託して行った耐震診断の報告書を情報公開請求で入手しました。

 診断結果の「周辺との関連性」の項目をみると、「敷地周辺道路はある程度の混雑が予想されるものの、災害時の輸送は確保可能である」。また「二次災害に対する安全性」も「建物周囲に十分な空地を有するため支障なし」となっています。

(記者)
「県が懸念するところと大きく矛盾すると思うが」

(香川県/池田豊人 知事)
「やはり県の今の安全性の懸念というのは大きな建物自身が倒壊する、その結果としていろいろな付随していろんな不具合が生じる、その一つががれきの散乱による交通障害ということもあるとお示ししているところであります」

 池田知事は、道路への影響の懸念については「耐震診断結果をもとに県が独自に判断したもの」としています。

(記者)
「倒壊(の危険がある)という診断があるから、がれきも当然散乱するだろうというのはちょっと飛躍があるかなと思うが」

(香川県/池田豊人 知事)
「やはりあれだけの建物が倒壊するということは、いろいろな安全に対するリスクを誘発するものだと思います」

 旧香川県立体育館を巡っては、民間の資金による再生を目指す建築家らの団体が複数の専門家の意見をもとに「建物全体が崩壊する危険は想定されない」と指摘。解体を急がず、協議するよう求めています。

 民間団体は8月28日、香川県教委の担当者らと面談し、安全性について説明しましたが、香川県は予定通り、2日から4日まで解体工事の一般競争入札を受け付けます。

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