視聴者の皆さんの疑問に答える「みんなのハテナ」。今回のテーマは「終活」です。
2025年4月に30代以上の男女500人にアンケートした「終活で最初に取り組みたいこと」(AlbaLink調べ)の上位5項目です。
1位 私物の整理
2位 デジタルデータの整理
3位 遺言の作成
4位 資産の整理
5位 葬儀に備える
視聴者のみなさんからは「何からしたらいい?」や「いつ始めるべきか?」などの質問が寄せられました。
疑問に答えてくれたのは、高松市のキラメキ社会福祉士事務所の社会福祉士、上田利枝さんです。上田さんは長年、1人暮らしなど高齢者の老後や終活をサポートしています。
終活は必要?(岡山市北区 しんちゃん 75歳)
(社会福祉士/上田利枝さん)
「すごく大事なことなんです。(Q.どうして?)後悔しない豊かな老後を迎えるためにはしっかりと準備をしておかないと、今なかなか難しい時代になりました」
上田さんによると、家族の負担を減らし、自身の希望をかなえ、老後を前向きに生きるために「終活」が必要だそうです。
何から始める?(さぬき市 たたら 55歳)他
何から始めるのがいいのか……
(社会福祉士/上田利枝さん)
「エンディングノートをまず書いていただく」
「エンディングノート」を知っていますか? 自分自身に何かあったときに備えて、家族などが判断や手続きを進める際、必要な情報を残すノートです。
始まりは1990年代始めごろで、書籍や文具として販売されたり、自治体やNPOが無料配布したりすることで知られるようになりました。100円ショップなどでも手に入るそうです。
「好きな食べ物」や「好きな本・作家」など趣味・嗜好から「例えばがんになったときの告知の方法や、延命治療の仕方・緩和ケア」、さらに「看護や介護を誰にしてほしいか」や「葬儀に関する希望」などを記入するスペースがあります。
(社会福祉士/上田利枝さん)
「老後必ず(病気などで)皆さん一人になる時間があるその時に、自分の機嫌の取り方がわかるかどうかもよくわかる。将来認知症になったときにも、ノートを見てエピソードを言ってくれる介護の方がいたらすごくうれしいですよね」
エンディングノートは思い出を共有できます。ノートを読むことでその人に寄り添うことができるようになります。
ただし遺言書と違って法的な拘束力はありません。
終活はいつから始める?(高松市 はな 60歳)他
(社会福祉士/上田利枝さん)
「私は今、40代から始めてくださいとお願いしています。実は相続は皆さんが思っているよりももっと早くから始まっているんですよ。しっかり家族で話し合うきっかけにもしてもらいたい。一旦書いていただくとご自身だけでなく親の老後もイメージすることができます」
上田さんによると、いざノートに向き合ってみるとなかなか書けない欄が必ず出てくるそうです。
上田さんは、40代から終活に取り組むことで両親と向き合う機会にしてほしいと話します。
エンディングノートは、お住まいの自治体や社会福祉事務所で無料、または安価で手に入ることが多いので、気になる方は調べてください。
(2025年10月9日放送「News Park KSB」より)