建築家、丹下健三が設計した旧香川県立体育館について、県と県教育委員会は4月10日に解体工事に着手すると発表しました。
旧香川県立体育館は老朽化のため2014年に閉館し、県が2023年2月に解体の方針を決めました。
2025年7月、民間団体が土地と建物を買い取るなどして公費を使わずに再生させることを提案しましたが、県側は「大地震の際に倒壊の危険性があり安全面のリスクをできるだけ早く取り除く必要がある」として協議には応じず。2025年12月に解体工事の請負契約を8億4700万円で結んで準備を進めてきました。
当初は3月中の解体着手を予定していましたが、3月20日に開いた近隣住民対象の説明会で出席者から新たに確認されたアスベストや地盤沈下対策などについて不安の声が多く上がりました。そして、回答を留保した質問に答えるため、着工を延期していました。
7日午前、近くに住む男性が香川県教委の保健体育課を訪れました。そして、近隣の10世帯を代表して、再び住民説明会を開くよう求める要望書を提出しました。男性は知事に手渡したいと求めましたが、県教委の担当課が応じることになったということです。
県教委側は「今のところ再度の説明会開催の予定はない」とし、文書での回答に加え、今後も個別に相談や問い合わせに応じる考えを伝えました。
(要望書を提出した近隣住民)
「(耐震診断から)12、3年放ったらかしてるのに急に『倒壊するから潰します』っていう話を聞かされて、その内容を説明してくれっていうんですけど、説明がないんですよ。だから近隣住民としては不安でしかない。(住民説明会の)3時間半にも及ぶ問い合わせに対しては紙1枚の説明で終わりました」
県と県教委、施工業者は7日、説明会で出た質問への回答をまとめた文書を近隣の住宅などに投函しました。
その上で、4月10日の午前8時から解体工事に着手することを発表しました。初日は植栽の撤去を行い、来週以降、池にある景石を敷地外に移すなどします。当初の予定通り、2027年9月中旬までの解体完了に向けて工事を進めたいとしています。
旧香川県立体育館を巡っては、民間での再生を目指す団体の代表が県を相手取り、解体工事への公金支出差し止めを求める住民訴訟を起こしています。