ジャーナリストの伊藤詩織さんのドキュメンタリー作品を巡り、元代理人弁護士らが会見で、許諾のない映像が使用されていると指摘しました。
伊藤詩織さんが監督を務めた「Black Box Diaries」は、性被害を実名で告白した体験から司法制度の在り方を問うもので、第97回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞にノミネートされています。
伊藤さんの代理人を務めていた弁護士らは、この作品に許諾のない映像や音声が使われていて、人権上問題があるなどと指摘しています。
外国特派員協会で20日に開かれた会見で、元代理人弁護士らは、「海外での上映や配給のプロセスにも問題がある。ルールやモラルに反しているのなら改めることが責任を取るということだ」「日本での上映を止めたいと思っているわけではない。法的、倫理的な問題がある映画が上映されること自体が問題だ」などと訴えました。
伊藤さん側もこの日に会見を開く予定でしたが、体調不良を理由に中止となり、「映像を使うことへの承諾が抜け落ちてしまった方々に心よりおわびします。最新バージョンでは、個人が特定できないようにすべて対処します。今後の海外での上映についても、差し替えなどできる限り対応します」などとコメントしています。