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早朝営業のラーメン店&屋外プールは使用禁止“亜熱帯化”で変わる日本

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 猛暑日続出で「亜熱帯化」したといわれる日本列島。私たちの生活にも変化が出ています。

■日本が「亜熱帯化」?

 “亜熱帯化”が進む日本。飲食店では気温が上がる日中を避けて、朝営業に切り替え。学校では、猛暑の影響で屋外プールが使われていない事態に。

埼玉県内の小学校校長 「暑さ対策という意味では、こういう天気の日でも使えない状況」

 都内では高齢者の熱中症が相次いでいます。

 8日、東京は2日連続の猛暑日で、最高気温が35.8℃。30℃以上となるのは13日連続です。

40代 「(Q.暑さで変わった『ライフスタイル』は?)買い物をまとめて済ませる。あまり家から出ないようにしている」 「(Q.買い物の頻度は?)数日分まとめて買うようになったので、半分近くに減った」

 この夏は、過去にない異変が起きています。

 亜熱帯気候の沖縄では、那覇の6月の平均最高気温が平年は29.8℃です。

 東京都心では平年26.1℃と那覇より3℃以上低いものの、今年の6月は平均が29.3℃。那覇と0.5℃しか差がありません。

 東京が“亜熱帯化”しているのでしょうか。

■室内でも熱中症相次ぐ

 都内では、室内で熱中症になる人が相次いでいます。

医師 「クーラーがないのか」 妻 「でも全然『暑い』と言わない」

 「在宅診療」を受ける、80代の男性。寝ている部屋にはエアコンがありません。

医師 「扇風機だけ?今あるのは」 妻 「はい」 医師 「結構皮膚が乾いている。脱水症があるかもしれない」 医師 「周り暑くないですか?」 患者 「暑い」

 脱水症状がみられる男性。数日前から食欲がなかったといいます。

患者 「あー」 医師 「血圧低めですね」

 男性がいる部屋の隣には、エアコンがありますが…。

医師 「クーラーはついてる?」 妻 「去年使ったけど、私は別に暑くない」 医師 「風は出ていない。壊れている?」 妻 「分からない」

 妻の額には汗が。

医師 「お母さん汗が滴っている」 妻 「私、水風呂に入るから」

 一方、夫は…。

医師 「汗をかいていない。それが問題。暑いと汗をかいて、それを乾かして体温を下げる」

妻 「大丈夫?」 医師 「脱水症だと思う。熱中症」

 熱中症と診断された80代の男性。点滴を受けます。

 特に高齢者は「暑さに気付きにくい」と、医師は警鐘を鳴らします。

ひなた在宅クリニック山王 田代和馬院長 「高齢者はもともとの体内の水分量が少ない。体に熱がこもった時の体を冷やすシステムが少し衰えている。暑さに気付きにくい。毎日、複数の人が暑さに起因する体調不良を訴えている。一部の人は熱中症になり重症化している。湿度が高いと、かいた汗が乾かない。水だけが失われて体が冷えない悪循環に入る。気温、湿度両方とも適切にコントロールするのが大切」

■授業中断も 学校生活に変化

 学校での生活にも、大きな変化が。気温や湿度などから示される「暑さ指数」を、体育の授業の前には必ず確認します。

教師 「きょうWBGT(暑さ指数)29.4℃。厳重警戒になっているので水分補給をしっかりとります。いいですか?」 児童 「はーい」

 暑さ指数は「厳重警戒」のため、熱中症に注意しながら校庭で体育を行います。31以上の「危険」に達した場合は、校庭ではなく体育館に移動します。

 開始から、わずか6分で…。

教師 「先生が笛を鳴らすまで水分補給の時間とします」

 水分補給の後、サッカーが始まります。しばらくして再び水分を取っていると、ミストの下に児童たちが集まりました。

 小学校では児童たちが熱中症にならないよう、徹底した対策が取られています。

児童 「気持ちいい」 「暑くてもミストがあると気持ちよくて、熱中症になりにくいと思う」

 体育の授業が終わった後に再び暑さ指数を確認すると、31℃を超え「危険」に達しています。

養護教諭 伊藤琴乃さん 「湿度と温度がとても高い状況なので、熱中症のリスクが高まる」

 暑さ指数が「危険」になった時点で、屋外での運動は禁止になります。校内放送で教師や児童に伝えます。

校内放送 「現在、熱中症の暑さ指数がとても高くなっています。そのため校庭で遊ぶことができません、校舎内で静かに過ごしましょう」

 猛暑の影響で屋外で活動できない時間が増えるなか、プールの授業にも変化が。こちらの学校では現在、屋外プールは使っていません。

新座市立八石小学校 川南真一校長 「(プールは)外の体育の一つなので、暑さ対策という意味では、こういう天気の日でも(プールを)使えない状況がある」

 プールの授業は、民間委託として別の場所にある室内プールで行っています。

川南真一校長 「今の夏の暑さについては、色々と検討しないといけない事案が増えている」

■早朝営業のラーメン店に行列

 猛暑で、飲食店の営業時間も変わっています。

 東京・豊島区のラーメン店。もともと午前11時からの営業でしたが、去年夏から開店時間を前倒しして、午前8時からに変えました。

麺創庵 砂田 砂田裕史店主 「もう一言で言うなら暑いから。年々やっぱり暑くなってきて11時にオープンする頃にはとんでもない暑さになっているから、(客に)来てもらうのも気の毒なので」

 朝営業に切り替えたことで売り上げが増加。

砂田裕史店主 「1.3倍くらい。昼と夜の時よりも売り上げはいい」

 “亜熱帯化”が進む日本。社会の在り方も、大きく変わりつつあります。

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