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【戦後80年】96歳がSNSで“語り継ぐ”長崎の被爆体験 世代超え共感

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 長崎で被爆し、両親と弟3人を失った96歳の女性が自らの体験を発信する場として選んだのはSNSでした。世代を超えた共感が広がっています。

森田富美子さん 「20歳の女性が渋谷の反戦デモに参加したというツイートを読んだ。戦争を知らない若い人達にこんな思いをさせるとは思わなかった」

 戦争についてSNSで発信しているのは、森田富美子さんです。フォロワーは8万人以上に及びます。

 投稿を始めたきっかけは、2020年に当時の安倍総理大臣が長崎と広島の慰霊式典でほぼ同じ内容のあいさつをしたことへの“怒り”でした。

森田富美子さん 「腹が立って仕方がなかったんです。(その時から)ちょっといろいろと書かせてもらいました」

 森田さんは16歳の時に長崎で被爆しました。

 爆心地からおよそ200メートルだった自宅にいた両親や弟らを亡くしましたが、森田さんは離れた工場にいたため助かったといいます。

森田富美子さん 「大きな男の人が全身の皮膚をだらっとたらしながら、『水を下さい』という方もいた。(自宅で)私が見た母親と弟はもうこのくらいになってましたね、真っ黒で」

 決して忘れられない原爆の悲惨さ。だからこそ、投稿の最後に必ず入れる文字は「ハッシュタグ戦争反対」です。

森田富美子さん 「フォロワーの人たちも『ハッシュタグ戦争反対』『ハッシュタグ核兵器廃絶』と書いて下さるんです。それだけでも本当にうれしくて」

 戦後80年の節目となる今年、自分の体験や投稿に至る思いが一冊の本に。世代を超えて共感を得ています。

20代女性 「メディアを通して知る戦争と、富美子さんご自身のお声できく戦争体験と全く違う印象を受けた」

高校1年生 「被爆者の方がどんどん減っていっていらっしゃるので(自分たちが)後世に伝えていけたらうれしい」

森田富美子さん 「この世の中を見ていると、なんとなく戦争に向かっているような感じがしますし、今の若い人たちは本当に一人ひとり、ちゃんと考えて行動しなさいと言いたいですね」

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