奨学金を受給する学生を対象にしたNPO法人の調査で回答者の9割が物価上昇で家計が「苦しくなった」と答えたことが分かりました。「生活費を稼ぐことと学業の両立が難しい」などの声が上がっています。
NPO法人「D×P」は、給付型奨学金を受給する全国の学生に30食分の食料品などを支給しています。
支援サービスに応募した学生354人が回答したアンケート調査では、最近の物価上昇により家計が「苦しくなった」が91%に上りました。
このうち、食費の支出が「増えている」と答えたのは約75%でした。
また、サービスに応募した学生のうち半数以上がひとり親家庭で育っていました。
学生からは「母子家庭で育った。4人兄弟のため生活費は自分で賄う必要がある」や「アルバイトを増やせば学業に支障が出るし、減らせば生活が成り立たない。学費が払えず退学せざるを得なくなるのではないかと不安を抱えながら毎日過ごしている」などの声が上がっています。
NPO法人は「物価高の中で親に頼れないというだけで学生生活が厳しくなる状況を変える必要がある」としたうえで、政府に学生を支援する緊急の給付金を実施してほしいとしています。