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“秋の食中毒”プロの対策は? 都内クリニックで食中毒“倍増”

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 島根県の高校の寮で8人が腹痛を訴えるなど、各地で食中毒が相次いでいます。都内のクリニックでは今、「カンピロバクター」による食中毒患者が増えています。

■10月は食中毒に注意?

 先月29日、高校の寮で食中毒が発生。島根県立吉賀高校の寮生男女8人が下痢や腹痛などを訴え、医療機関を受診しました。

 寮で調理された食事を原因とする食中毒と断定しました。

 約2週間の間に岐阜県で弁当やオードブルで2件。広島県では医療施設や料理店で2件。そして、島根県で1件など食中毒が多発しています。

 1年間で食中毒の発生が最も多いのは、実は意外にも10月。

 実際、都内のクリニックでは診察に訪れた60代の女性。聞こえてきたのは…。

60代の女性 「滝のような汗。夕飯を食べたけど、恐らくサバのみりん干し」

 サバのみりん干しをきっかけに、女性は長時間つらい腹痛などに悩まされたといいます。

60代の女性 「食事が終わる前に症状が出て、下痢と吐き気。1時間近くトイレにこもっていて」

 今月1日に訪れた女性もつらい腹痛で受診。この時期特有の症状を診断されていました。

院長 「食べたもので思い当たるのは?」 患者の女性 「レバー」 院長 「カンピロバクターがこの時期は多いかもしれない」

 腹痛を訴える患者は2日も訪れていました。

■「カンピロバクター」特徴は?

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長 「9月3週目以降。腹痛、下痢、発熱、嘔吐(おうと)。3つほどの症状の患者が増えている。多くが感染症の胃腸炎、特に食中毒」

 クリニックでは、通常の年の1.5倍から2倍近くに増えているといいます。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長 「一番多いのはカンピロバクター腸炎。調理に使われる肉の3、4割はカンピロバクターがいるといわれている。多少涼しくなっても菌にとっては十分、繁殖できる温度」

■秋急増の食中毒 プロの対策は?

 炭火焼きのサバなど、都内の干物などの焼き魚が自慢の飲食店。

 安心した食事を提供したい飲食店のプロは何に気を付けているのでしょうか。焼き魚の弁当を提供するプロの厨房(ちゅうぼう)で食中毒対策を教えてもらいました。

 まずは基本から。

魚恵 小林佑介店長 「いったん洗うけど、1回だけだと菌が全部落ちない可能性。これを2回繰り返す」

 しっかり洗うことができていないと、汚れが付いたままの手で調理することに…。

 弁当の具材を汚れた手で詰め込むと、汚れはしっかりと残ってしまいます。

 まな板を使い分けるのはもちろん、お弁当箱に入れる具材の粗熱を取ることなどが重要だといいます。

魚恵 小林佑介店長 「ご飯を熱いままふたをすると、水分が弁当の中にたまって水分が菌を繁殖させる原因になるので、そうならないように先にご飯を入れて、ふたをせずにご飯を冷ます作業」

 10分程度、先にご飯を出して粗熱を取ってから詰めると、ふたをした後も水分がこもらず、菌が増えにくいといいます。

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