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おトクな新米&うな丼発見 なぜ安い?意外な共通点が

経済

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 値上げが相次ぐ物価高のなか、3000円台のお米、1000円台のうな丼を見つけてきました。

■新米・野菜 なぜ安い?

 都心から車で約1時間半。水戸市にある直売所「農の詩」。そこには驚きの数字が並んでいます。

 コシヒカリの新米が3750円。もちろん白米5キロ税込みの価格です。

60代の人 「お安いですね。この前、買った時は4300円。新米で千葉県産。ありがたいですね」 「家庭で消費する量を考えると少しでも助かると思う」

 他にも「あきたこまち」や「ミルキークイーン」、茨城県オリジナル品種の「ふくまる」など、その時々で4000円を下回る銘柄の新米が並びます。

 現在、全国のスーパーなどで販売されたコメの平均価格は5キロ4246円。5月中旬に付けた最高値に迫っていることを踏まえると、この値段は破格と言えます。

 さらに、安いのはコメだけではありません。例えば大きなナスは4本で120円、ピーマンは11個で120円です。

 新米や旬の野菜がなぜ、こんなに安いのでしょうか。

 帝国データバンクの調査では10月の値上げは3024品目に上っています。そんな物価高のなかでも安い価格で販売される理由が直売所のすぐ近くにありました。

 彼らは農業を学ぶ学生たち。実はここ、「日本の食と農」の新たな担い手を育てる専門学校なのです。

鯉淵学園農業栄養専門学校 平原信男学園長 「学園付属の直売所なので、生産した後に流通経路を通らずに直売所の方に出荷できる。営利目的よりは学生の教育のために『生産して販売まで学習しよう』から進めている」

 経験豊富な先生の指導のもと、学園内で学生が田植えから収穫、精米や袋詰めまで実践し、直売所で販売。営利を目的としない教育のためのお米です。それを「地域に貢献したい」という思いから安く販売しているといいます。

 ただ、品質は“学園産”と侮るなかれ。県外からもリピーターが訪れる人気です。

 食料自給率の低さや農家の担い手不足など、日本が直面する“食の問題”。学園は農業に興味を持つ若者を増やし、問題解決につなげたいという熱い思いを持っています。

鯉淵学園農業栄養専門学校 平原信男学園長 「意欲のある若者が増えていくと良い。(食の問題を)考えるきっかけになると良い」

 学園産のコメが並ぶのは不定期で、数に限りもありますが、タイミングが良ければ安くて新鮮な農作物に出会えるかもしれません。

■おトクなうな丼“新人価格”

 新たな人材育成が目的で、お得になる“新人価格”。それは香ばしい香りを放つ「うなぎ」でも。

 東京・池袋に2店舗を構えるうなぎ店「まんまる」。明治時代から続くウナギなどを加工・販売する卸・直営のお店です。

60代の人 「日本で一番おいしいんじゃないか」

 丼ぶりに乗った、ふっくらと厚みのあるうなぎ。店名を冠にした「まんまる丼」です。値段はこのボリュームで、なんと1500円。

50代の人 「めちゃめちゃ安い。これで1500円なのか。大きくておいしそう」

 国内外問わず、時期ごとにバイヤーが厳選したウナギが使われています。

50代の人 「大満足」

 実はこのお店、通常の「うな丼」が2300円。「まんまる丼」との価格差は、なんと800円。なぜ、見た目は同じなのに800円も安いのでしょうか。その答えは焼き直す前の「白焼き」の断面にあります。

うなぎと地酒 まんまる本店 小路永啓介店長 「ベテラン職人がさばいたうなぎ。こちらが若手職人がさばいたうなぎ」

 確かに、断面の美しさにわずかな違いが…。

うなぎと地酒 まんまる本店 小路永啓介店長 「包丁が入りすぎて身崩れしてしまう」

 さらに、このへこみの部分の身が少し削られ、厚みを失っています。

うなぎと地酒 まんまる本店 小路永啓介店長 「串打ち3年、裂き8年、焼き一生」

 実は職人育成のために若手がさばいたウナギを使っているからこその特別価格だといいます。ただ、本音では…。

うなぎと地酒 まんまる本店 小路永啓介店長 「味はほとんど変わらない」

 2日、店舗で調理してくれたのも入社2年目の若手職人・大橋さん(24)です。

入社2年目の職人 大橋翼さん 「お客さんに『おいしい』と言ってもらえるたびに良い色が出せている実感もある。今は楽しい。「難しい』が『楽しい』に変わった」

 育成で「業界の発展」を願うことで実現する“新人価格”。

うなぎと地酒 まんまる本店 小路永啓介店長 「職人の育成にもつながってくるので、私たちの仕事も生きてくる」

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