写真に収めた「思い」はどのように伝わると思いますか?何かを発見したときの驚きの「感情」を、身近なネコの作品を通して体験できる展示が香川県高松市で開かれています。
(記者リポート) 「ピンクのかわいいネコに、黄色い大きなネコ。こちらまるまるひとつの空間が作品なんです。」
高松市のにぎわいづくり事業の一環として、高松シンボルタワーの空き店舗に登場した「高松アーティスト・イン・レジデンス2017成果展」です。
兵庫県神戸市の現代美術家、飯川雄大さん(36)が制作した高さ3.5メートル、横4.5メートルのネコ。形が同じでも色が違う2匹が並んでいます。
また、作品のヒントになった海に生息する「デコレータークラブ」という、ごみや石などを身にまとうカニを見たときのインタビュー映像もあわせて展示しています。
かわいい色使いで、いわゆる「インスタ映え」を狙って思わずカメラに収めたくなる大きすぎるネコ。しかし、正面から撮影しようとするとうまくネコの姿が入りません。実はそれが作者の狙いです。
(現代美術家 飯川雄大 さん) 「記録しづらい空間になってて、無理やり斜めからとか下からとか撮ったら、もしかしたら写るかもしれないし、写した画像とか記録したものを人に見せるときの情報の価値が、どれくらい大事なのかを観客の人と一緒に問いたい。」
飯川さんは、神戸や福岡など全国各地で映像や写真、立体などを用いた創作活動を続けています。 去年からは、どの街にもいて、突出した行動をとるネコの作品を形、色、大きさ、場所を変えて取り組むようになりました。会場内では誰でも自由に撮影することができます。
記録することってどんなことなんだろうと体験しに来ませんか。高松シンボルタワーで12月25日まで展示しています。16日は午後4時半からトークショー、17日は子どもも自由に参加できる無料の「四コマまんがのワークショップ」が開かれます。