修学旅行中の小中学生を含む168人が亡くなった宇高連絡船「紫雲丸」の沈没事故から11日で63年です。高松市の寺では、事故の生存者や遺族が参加して慰霊祭が行われました。
1955年5月11日午前6時40分、宇野と高松を結ぶ、旧国鉄の宇高連絡船「紫雲丸」が深い霧が立ち込める高松港を出発しました。直後に貨物船と衝突し、わずか5分で沈没しました。この事故で、修学旅行中の小中学生を含む168人が尊い命を落としました。瀬戸大橋建設の機運を一気に高めたと言われています。
瀬戸内海を望む高松市の西方寺では、毎年5月11日に慰霊祭が行われています。63回目の今年、参列したのは事故の生存者や遺族ら8人です。
修学旅行で紫雲丸に乗っていた白石力さん(74)は小学6年生の時に事故に逢いました。
(白石 力さん) 「あの時点で頭の中は止まっとんだけど体は年を取ってくるよね。俺だけは忘れないよと俺の話を聞いて『なるほど』と思ってくれる人が1人でもいればそれはそれでいいかなと」
事故を知る「語り部」も高齢化が進んでいて、事故の風化が心配されています。