廃校舎の新たな活用方法です。廃校になった中学校を動物の保護施設にする全国初の取り組みが、岡山県で始まりました。
(記者) 「廃校の廊下にはまだ学校の椅子が残っていて、面影を感じます。こちらが教室で、中に入るとキャットタワーが設置されています。きょうからここにネコが入学します」
2014年に閉校した岡山県吉備中央町の旧大和中学校にできた保護施設、「ティアハイム小学校」です。ペット関連の会社が社団法人を立ち上げて運営しています。
2年生と3年生の教室は、ネコ専用ルームに改装し、保健室には獣医師による診察ができる設備をそろえています。
(ティアハイム小学校 ネコ部/小川弘司 部長) 「ネコには配慮をした部屋作りになっております。なるべくストレスフリーな環境で。『廃校』をとっていえば、全国初ですね」
29日、ネコの受け入れが始まり、さっそく岡山市から1匹のネコがやってきました。約3カ月前に空き家で生まれたオスです。元ソフトテニス部の部室に設けられたケージにお引越ししました。
預けられたネコは、里親が見つかって「卒業」するまでここで過ごします。
(預けた人はー) 「広々としているからね。自由に遊べて、運動できるんじゃないかなと思いますけど」
しかし、早くも課題が。現在、受け入れられるネコは40匹ですが、すでに電話や訪問でそれを大きく超える200匹の相談が寄せられています。
(相談を受ける様子) 「引き取りはすぐには難しいというのが正直なところなんですよね。そういうちょっと危ない状態まできている場合は、保護するしかないと思うんですよね」
こちらの女性は、一時保護をしているネコを巡ってご近所トラブルも起きていましたが、引き取りができるまでは保護を続けることになりました。
(相談者はー) 「結局、鳴き声とか臭いで皆トラブルがあるでしょ。でも、ここだったら、いずれドッグランもできることでしょ。これだけ広いしね。だから場所的にはいいと思います」
今後は、グラウンドや他の教室の改装を進めるなどして、イヌも対象に受け皿の拡大を目指します。