警察犬が空を飛んで出動するための訓練です。 鋭い嗅覚で、行方不明者の捜索や事件の捜査に活躍する警察犬。ヘリコプターで空を飛んで移動した後の現場でも、普段どおりの能力を発揮できるかを確かめる訓練が、香川県で行われました。
香川県警は毎年この時期に警察犬の訓練会を行なっていて、今回は、警察から要請を受けて出動する嘱託警察犬6頭が参加しました。 これまで香川県警では、警察犬がヘリで出動したことはありませんが、瀬戸内海の離島などでの災害や犯人の逃走に備えます。
まず、警察犬は、ケージに入った状態で指導者とともにヘリコプターに乗り、10分間ほど周辺を飛行します。 訓練のポイントは、乗り降りの時の強風やエンジン音など普段とは異なる環境への順応です。
(記者) 「ヘリから20メートルほど離れたこの場所でも、とても大きな音がして強い風が吹いています。警察犬には、どういった影響を与えるのでしょうか」
ヘリを降りた警察犬は、早速、捜索の対象者が動いた経路を探る訓練にとりかかります。
(記者) 「まず、捜索する人のにおいを覚えさせ、いつも通り足跡をたどっていけるかを確かめます」
多くの警察犬は、ヘリによる移動の影響を見せることなく、地面に残ったにおいをかぎながら進んでいき、対象者が残した物を発見していました。
(警察犬指導者/川西忠昭さん) 「われわれの感覚、感度とは全然違うものを持っていますので、どうやって発揮させてあげられるかというのが最大のテーマだと思います」
(警察犬指導者/香西迭男[てつお]さん) 「ヘリコプターに対しての影響というのはないように思われますので、現場で犬を信用して、そのまま活動できるかな」
香川県警によると、今年の警察犬の出動回数は嘱託警察犬が11件、直轄警察犬が44件です。そのうち、7割以上が行方不明者の捜索だということです。