2020年4月に施行された香川県のネット・ゲーム依存症対策条例を巡るニュースです。 高松市で6日、この条例について考えるシンポジウムが開かれ、「子どもや保護者、教員の意見をもっと聞いてほしい」という声が相次ぎました。
シンポジウムは共産党県議団と香川革新懇が開いたもので、条例に関心を持つ市民ら約70人が参加しました。
パネリストとして、条例は憲法違反だとして廃止を求める会長声明を出した香川県弁護士会の馬場基尚弁護士。9月30日に県を相手取って違憲訴訟を起こす予定の高校3年生、渉さん。そして、県議会の条例検討委員会の委員を務めた共産党の秋山時貞議員が、条例の内容や不透明な制定過程の問題点をそれぞれ指摘しました。
その後、会場を訪れた人との意見交換に多くの時間を割き、現職の教師や保育士、医師、IT関係などさまざまな職種の合わせて13人が条例について感じることなどを述べました。
(元中学校教員) 「子ども、親、教員、専門家などの有識者などで構成する会議を1年間くらいかけてやって、そして(条例を)作るべきではないか」
(現職の小学校教員) 「子どもの意見をしっかりと聞いてあげてほしい。社会のありようとして保護者の意見をしっかりと聞いてほしい。またそれを守らされる教員の意見もしっかりと聞いてほしい」
(小児科医) 「病気なんです、依存症というのは。そこに本当に発達を専門にしてる人とか、小児科を専門にしている人がどこまで(条例の)方向性がいいか悪いかに関わってるかというと、僕が知ってる限り発達の専門医は関わっていない」
このほか、「条例制定前に依存症の実態調査を行うべきだった」とか「条例を作って満足するのではなく、子どもたちがどう変化したかを県民に伝えるべきだ」などの意見も出ていました。 シンポジウムには自民党議員会とリベラル香川の県議も出席しました。
共産党を含む3会派は条例の制定過程の検証を求める申し入れを行いましたが、西川議長は「その必要はない」と回答しています。
(共産党県議団/秋山時貞 議員) 「もっと議論して大きな大きな問題になっていったら、賛成派だった方(議員)でも本当にこれでよかったのかなということにもつながっていくだろうし」
Q本来は、条例ができる前にこういう議論を…
(共産党県議団/秋山時貞 議員) 「そうですね、それはおっしゃる通りで私自身の反省でもあるんですけど、もっと議論を尽くすべきでした」
(違憲訴訟を予定する高校3年生/渉さん) 「(最近)皆さんのこの条例に対する意識というのが衰えているかなという部分がインターネット上で見受けられるので、下火にならないように努力はしていこうと思っています」