救急車が到着するまでの『対応』が鍵を握ります。
今年9月、香川県善通寺市のスーパーで突然意識を失った客の女性を「AED」を使うなどして救った店員らに、市長が感謝状を贈りました。
善通寺市の平岡政典市長から感謝状を受けたのは、スーパー「PLANT(プラント)」善通寺店の店員・神野智恵子さんと薦田沙織さん、それに、店に居合わせた看護師の長島香織さんです。
9月25日午後3時ごろ、店に買い物に訪れていた40代の女性が突然倒れ、心肺停止の状態になりました。
(中濱綾那リポート)
「従業員の1人が総合案内所に設置してある、こちらのAEDを使い、電気ショックを行ったということです」
神野さんが119番通報している間に薦田さんがAEDを取り出し、たまたま買い物に来ていた看護師の長島さんと一緒に、倒れた女性に心肺蘇生を行いました。
さらに、元自衛官の警備員の男性も加わり、交代で心臓マッサージを続けました。
(看護師/長島香織さん)
「今まで看護師として働いてきて、そういう経験が何度もあったので冷静に対応しました。倒れた方の家族ですかね、どういう持病があるのかなど聞きながらずっと胸骨圧迫をしました」
(店員/薦田沙織さん)
「見たときは凄くびっくりして頭が真っ白になったんですが、当時は無我夢中でした」
(店員/神野智恵子さん)
「他の従業員と一緒にタオルで目隠しをして、後はもう祈る気持ちだけで、焦る気持ちもありました」
救急車到着までの適切な措置により女性は快方に向かい、3日後には後遺症もなく退院したそうです。
店員の神野さんは、過去にAED講習会を受けた経験がありました。
善通寺市消防本部管内では去年、32人が心臓発作などで救急搬送されましたが、一般の人がAEDを使ったケースは1件もなく、ほとんどがそのまま亡くなるか後遺症が残ったといいます。
(善通寺市消防本部/杉本豊和 消防長)
「消防におきましても救命率向上のために救命講習を行っていますので、1人でも多くの市民の方の参加をいただき、いざそういう場面に直面した時に勇気を持って踏み出していただきたい」