古代の香川県庁、讃岐国府跡が2020年3月に国の「史跡」に指定されました。その国府と重要な関わりがあるとされる古代寺院の発掘が進められています。
香川県の古代の姿が少しずつ明らかになってきています。
2月7日。坂出市府中町の「開法寺跡」の発掘現場には、のべ440人もの熱心な歴史ファンが集まりました。
(見学者は―)
「たまたまきょうあるんだと思って来たんですけど、ロマンがあるのでいいですね」
「なかなかこういうのは見られるチャンスないしね。コロナになってなおさらですよね」
2017年から発掘が続く「開法寺」
開法寺は、昔から讃岐国府と深い関わりがある寺だと伝えられ、坂出市の教育委員会が2017年から発掘を続けています。
2020年までの発掘では珍しい銅の印章や、寺の講堂ではないかとされる廂(ひさし)が付いた大型建物跡などが見つかりました。
今回の発掘では寺の屋根に使われていた軒丸瓦(のきまるがわら)を数多く発見。
また、建物の柱を支える礎石(そせき)と呼ばれる大きな石の並び方などから、建物を取り囲む回廊の存在が改めて確認されました。
(坂出市教育委員会/木野戸直さん)
「『法起寺式』という伽藍配置(がらんはいち)をとるお寺ではないかという想像というのはずっとされていたんです。金堂がやはり確定しておりませんので、その金堂に対してできる範囲でアプローチをかけていけたらと思います」
2回目となる「讃岐国府まつり」も開催
この日は地域の人たちが今年で2回目となる「讃岐国府まつり」を開催。琴やサヌカイトの演奏が披露されたほか、古い書物や掛け軸など貴重な資料の展示などが行われました。
讃岐国府跡は2020年3月、国府跡としては四国で初めて国の「史跡」に指定されました。
2018年に大規模な調査を終えた後も周辺部分の発掘は続けられています。2020年は史跡に指定された範囲から約100m北の場所を発掘。中世の建物跡や井戸の跡などが発見しました。
(香川県埋蔵文化財センター/竹内裕貴さん)
「国の史跡になった部分というのは、実は讃岐国府跡の今わかっている範囲のほんの一部に過ぎない。もちろん史跡の部分も大事なんですけれども、それ以外の部分も目を向けながら今後も調べていく必要があるかなと思います」
(香川県埋蔵文化センター/西岡達哉 所長)
「まだスタートラインに着いたくらいじゃないでしょうかね。これから私たち研究者だけじゃなく、さらに地域の方々を含め多くの皆さんの力添えで明らかにしていかなければ、本当の讃岐国府跡開法寺跡の歴史的な価値は見いだせないだろうというふうに思っているところです」
讃岐の古代史解明へこれからさらなる発掘作業と研究成果が期待されます。