地域の魅力が洋服になりました。香川の伝統的な織物「保多織(ぼたおり)」で作った洋服の受注会が高松市で開かれています。
香川の特産野菜で染めた優しい色合いが並びます。
香川の織物と特産野菜のコラボが実現
高松市の「まちのシューレ」で開かれている香川県のファッションブランド「ツムギ」の受注会です。
香川県の伝統的工芸品・保多織を使った春の新作25点が並びます。
(野口真菜リポート)
「こちらの黄緑色は『まんば』で、オレンジ色は『金時ニンジン』で染めたものです。香川の織物と特産野菜のコラボレーションが実現しました」
手掛けているのは香川県出身のデザイナー、平川めぐみさんです。
(「ツムギ」デザイナー/平川めぐみさん)
「親しみのある野菜の力を借りて染めてみたら面白いし、(この土地の人に親しんでもらえるものを使って)愛される布を作れればいいなと思って染めようと思いました」
今回使ったまんばは、高松市の農家から譲り受けたものです。中には傷がついたり育ちすぎたりといった規格外と言われるものも。
染めのプロフェッショナル「浦上染料店」が加工を担当
平川さんは、倉敷市児島地区の浦上染料店に染めや加工を依頼しました。浦上染料店は草木染めも得意とする染めのプロフェッショナルです。
まずは、保多織の生地を入れた約80度のお湯にまんばを抽出した液を流し込みます。
色落ちを防いでより日常使いしやすくなるよう、カルシウムを含んだ鉱物も混ぜ合わせながら染めること3時間。
まんばで染まった淡い黄緑色の保多織が誕生しました。
保多織は、凹凸感があり吸水性や保温性が良いのが特徴です。
(野口真菜リポート)
「保多織のさらっとした肌触りと、ゆったりしたシルエットで着心地が良いです。そしてこのまんば色、まとうだけで気持ちが明るくなるような、優しい鮮やかな色合いです」
(お客さんは―)
「めちゃめちゃきれいです。まんばって緑の葉っぱですよね?こんなにきれいに染まるんですね」
「テンションめちゃめちゃ上がりますよ。毎年買っているんで。今まで着たことない色なのでいいかなと思って」
(「ツムギ」デザイナー/平川めぐみさん)
「天然のものから出る独特の深みというか、ナチュラルで柔らかい色合い、なんですけど、すごく複雑な色彩が絡み合って生まれるものなんですけど、それをエネルギーに変えて、癒やされたりとか元気になれたり、そういう手元に置けるものとして持っておいていただきたいなと」
香川ならではの色合いと風合いを。受注会は10日まで高松市の「まちのシューレ」で開かれています。