全校生徒1人の中学校で卒業式です。
香川県坂出市の岩黒島にある岩黒中学校で16日、卒業式がありました。
卒業の日を迎えたのは3年生の岩中楓さん。
岩中さんの晴れ姿を見ようと保護者や島の住民らが集まり、みんなで卒業を祝いました。
(荻津尚輝リポート)
「卒業を祝って贈られた花束です。花束には、かえでちゃんおめでとう、などお祝いの言葉が書かれています」
岩中さんは、岩黒小学校から9年間同級生がいませんでした。
中学2年生からは在校生が1人になり、この日は在校生の送辞の代わりに担任の先生から言葉が贈られました。
(岩黒中学校/中川祥代 先生)
「自信を持って第一歩を踏み出してください。私たちはいつも楓さんを応援しています」
(岩黒中学校・3年/岩中楓さん)
「私の大好きな学校である岩黒小中学校の誇りを胸に、どんな時も諦めず笑顔を大切にして前を向いて歩いていきたいと思います」
岩中さんは最後まで笑顔で卒業式を終えました。
そして、岩中さんと同じく節目を迎えたのが岩黒中学校です。
70年以上の歴史を持ち、岩中さんを含めて241人の生徒が巣立った中学校。60人を超える卒業生があつまり、モニターを使って過去の写真を見るなど思い出を振り返りました。
(岩黒中学校・3年/岩中楓さん)
「だんだん1人になるにつれて地域の方とか先生方とかがとても協力してくれて。体育祭でも自分1人になっても支えてくれていたので、今は地域の方にその恩をどうやって返せられるかなと思って一生懸命頑張ってました」
(岩黒中学校/川﨑晋吾 校長)
「いろんな行事をするのにとても学校だけでは成り立たないところを地域の方が助けてくださって、参加もしてくださって本当にもう、1つのチームのような温かい学校だったなと思います」
岩中さんの卒業で生徒がいなくなった岩黒中学校。
4月から休校になるということです。