9月9日は桃の節句や端午の節句と並ぶ五節句のひとつ、「重陽の節句(ちょうようのせっく)」です。重陽の節句は別名「菊の節句」とも呼ばれます。かなりディープな世界といわれるキクの種の識別について植物園の園長に聞きました。
倉敷市の重井薬用植物園です。こちらは柚子のような爽やかな香りがする「オオユウガギク」。田んぼの畔(あぜ)や林のふちなど、やや湿った場所を好み岡山県で最もよく見られる菊のひとつです。
蜜などを求めて昆虫が集まり、それを狙うハンターもやってきます。
キクの見分けはなかなか大変です。
(重井薬用植物園/片岡博行 園長)
「確実に見分けようと思ったら花では見分けはつかなくて、むしろ花が終わってから。これが『そう果』という実ができていて、そう果の先っぽに毛が生えてるんですね」
識別のポイントのひとつは「そう果」の毛。「オオユウガギク」の毛は不揃いなのが特徴だそうです。
キクの識別は「そう果」の毛の長さやその他の特徴を総合的に判断するため、専門家の頭を悩ませることもしばしばなんだそうです。
(重井薬用植物園/片岡博行 園長)
「野菊の墓じゃなくて、野菊を見分けようとすると野菊のバカ~と言いたくなる。笑」