子宮内膜症をご存知ですか?症状は生理痛に似ていますが、放置しておくと癒着したりがんになる場合もあったりさまざまなリスクが潜んでいます。子宮内膜症で、手術を受けた人に話を聞きました。
子宮内膜症とは子宮の内側以外の場所に子宮内膜、または、それに似た組織ができてしまう病気です。
生理痛のような痛みがあり放置すると腹痛や腰痛がひどくなる、腸や尿管など周辺の臓器とくっついてしまう、不妊の原因になる場合もあるなど、さまざまな疾患が現れます。
(手術を受けた女性)
「腎臓の方も悪くなってきてCTとかMRI撮ったときに卵巣の方の影響があると」
子宮内膜症の手術を受けたのは山口県に住む53歳の女性です。15年ほど前に受けた子宮頸がんの検診で子宮内膜症が発覚。卵巣との癒着を指摘されました。
(手術を受けた女性)
「その時(診断された時)は腰痛くらいの感じだった。(その後)寝込まなきゃいけない状態にもなってきていたので、早いうちになんとかしないととは思ってたんですけど」
時間が経ち、尿がしにくくなったことから受診すると、子宮内膜症で尿管が詰まっていることが判明。2021年7月30日、体への負担が少ない腹腔鏡手術を行える施設を紹介してもらい子宮を全て摘出し、尿管と膀胱をつなぎ直す手術を受けました。
(手術を受けた女性)
「やっと片がついたなという感じです。これで今までの生理痛から解放されると思ったら楽です」
年齢別の子宮内膜症の推定患者数は、20代から30代が最も多く全体の半分以上を占めています。症状がひどくなるのは30代後半から40代です。
倉敷成人病センターの安藤正明医師は、潜在的な患者さんはもっと多いのではないかと話します。
(倉敷成人病センター/安藤正明 医師)
「1日12件くらい腹腔鏡手術をすると(子宮内膜症が)ない人は滅多にいない。MRIでも5ミリ未満の腫瘍は映らないので臨床的に症状が出ない人も多い」
しかし、自覚症状がない人も多いため、自分で症状を見分けるのは難しいそうです。
(倉敷成人病センター/安藤正明 医師)
「(生理痛と)区別はなかなかつかないと思います。症状があるなら一回は診察を受けてほしいです」