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保育園遊具での重体事故はなぜ起きたのか…専門家が語る対策、現場の声は? 岡山市

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 10月14日、岡山市の保育園で2歳の園児の首が遊具の隙間に挟まる事故が起きました。なぜ事故は起きたのか、どうしたら子どもの安全を守ることができるでしょうか。

園児は現在も重体…遊具で何が?

 10月14日午前10時10分ごろ、岡山市北区富原の第二さくら保育園で事故は起きました。

 2歳の男の子が遊具に首を挟まれ、男の子は現在も重体です。

 保育園によりますと男の子が挟まれた遊具は2008年の開園時に設置。遊具の下に入り頭を打つ子どもがいたため、板状の柵で塞いだといいますが、この時できた隙間で事故が起きました。

(第二さくら保育園/平松早苗 園長)
「子どもたちがくぐりたがるので、頭を打っても、高さ的にと思って塞いだんですけど、今こうしてみると全部塞げばよかった」

 園の判断で取り付けたということです。

幼児教育や保育に詳しい専門家は――

(岡山県立大学/佐藤和順 名誉教授)
「遊具には一定の規格があって、業者に相談をして、専門家の目が入って、そういった柵を設置したのか」

 「日本公園施設業協会」は、国の遊具の安全指針をもとに都市公園の遊具の安全基準を定めています。

 協会によると子どもの胴体の幅を12.7センチ、頭の幅を23センチとしていて、胴体が入らない構造にするか、頭が通り抜ける構造にするよう定めています。

 ただあくまでもこうした基準は都市公園に関するもので、保育園などの遊具の安全基準を定めるものはないのが現状だといいます。

(日本公園施設業協会/井口義也 専務理事)
「その辺のところをどこまでっていうのは法律で決まっているわけではないんで、(園の)ご判断だと思いますが」

遊具を緊急点検 事故を防ぐために保育現場からの声

 市内の保育園では市の緊急の遊具の点検依頼を受けて一部を変更しました。

(記者)
「こちらの保育園では第二さくら保育園での事故を受けて、こちらの隙間をマットで塞いだということです」

 保育園によりますと、遊具の隙間に園児が落ちる危険があるとして隙間を塞いだということです。一方で、園によりますと、安全確保のためには遊具の整備だけでなく保育士の配置数の基準の見直しも必要だと話します。

(ひらたえがお保育園/田中重行 園長)
「3歳以上になると20対1とか30対1といった職員配置になる。基準通りにやるのでは、なかなか運営しづらいし事故は防げない」

 国の基準によりますと0歳児では園児3人に対して1人の保育士を配置するようになっています。一方で年齢が上がるごとに1人が見る園児の数は増えていきます。

こうした配置について専門家は――

(岡山県立大学/佐藤和順 名誉教授)
「世界的な数の標準から見れば先生が持つ子どもの数は多いので、そこはしっかりと国が主導して1人当たりの先生が担当できる数をもう一度再度検討してもいい」

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