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【特集】高松市が目指す「多核連携型コンパクト・エコシティ」 ことでん伏石駅を核に公共交通再編へ

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 高松市は高齢化や人口減少などを見据えて新しい街づくりを進めています。

 その重要なテーマとして取り組んでいるのが「公共交通の再編」です。11月に完成したのは、その核を担う「バス」と「鉄道」を連結させる拠点です。

再編の要になる「ことでん伏石駅」

 2021年11月6日、高松市のことでん伏石駅に駅前広場がオープンしました。高松市はこの場所を約15億円かけて整備、今は路線バスと高速バス合わせて3路線が乗り入れています。

(高松市/大西秀人 市長)
「市民の皆さんからすれば、より効率的に移動ができる、あるいは今まで公共交通機関で行けなかった所もいろいろな所へ行けるということで、利便性が高まるというふうに思っております」

 高松市は今、公共交通の再編を進めています。

(高松市 交通政策課/片原光隆 課長補佐)
「今のままでは利用者がいなくなって、公共交通がなくなってしまう恐れがあります。直近30年ほどで4路線、28系統のバス路線が無くなっております」

核と核を結ぶ街づくり

 公共交通の再編には、高松市が目指す街の形が大きく関わってきます。それが「多核連携型コンパクト・エコシティ」です。

 これは人口減少や高齢化社会を見据えたものです。中心市街地を大きな「核」、各地の駅の周辺などを小さな「核」と位置付け、それぞれの「核」に人や商業、医療などを集めることで都市機能の維持を図ります。

 そして「核」と「核」を公共交通で結ぶことで、車が運転できない人でも生活しやすい街を目指すとしています。

 バス乗り入れの1年前、「ことでん伏石駅」は2020年11月にオープンしました。高松市やことでんなどはここに公共交通の新しい結節拠点をつくろうと考えていました。

(ことでん/真鍋康正 社長)
「高松市の中でも、このあたりは非常に人口の増えているエリアということもあります。幹線沿いにありますので、何よりもバスとの連結をすごく意識してつくっています」

(荻津尚輝リポート)
「伏石駅を出るとすぐ目の前にバス停があります」

 「鉄道」と「バス」の乗り継ぎ、これが効率のいい公共交通ネットワークをつくるカギになっています。

(高松市 交通政策課/片原光隆 課長補佐)
「現在、高松市のバス路線は郊外部から中心部まで運行距離の長いものになっております。需要の大きいところではいいんですけれども、需要の少ないところと同じ本数だけ走ってしまいますので、大変非効率」

 現在、高松市の路線バスは中心市街地のJR高松駅やことでん瓦町駅を発着点に多くの便が運行されています。その結果、バス路線同士でルートが重なっている区間や鉄道と同じようなルートを走る区間が生まれています。

 ことでん伏石駅をバスと鉄道の結節拠点にすれば、伏石駅まではバスで、伏石駅から中心市街地は鉄道で、というすみ分けが可能になります。路線バス自体も、限られた区間をより細かく回ることができるようになります。

(ことでん/真鍋康正 社長)
「できるだけ電車の方に集約化していく。輸送力が高いですので電車の方が。駅まではしっかり(バスで)お運びして、駅から街には(電車に)乗り換えて来てもらうと。乗り換えのしやすい公共交通網をつくっていくということが我々の責任かなと思っている」

(電車からバスに乗り換えた利用客は―)
「こっからだったらゆめタウンとかも近いし、他のバスの乗り換えとかもしやすいので、移動の幅が広がったなって思います」

(バスから電車に乗り換えた利用客は―)
「香川大学の創造工学部から乗ってきました。大学に行くときはほぼ使っている。大通りを使ってくれるので、交通の便がだいぶ良くなったと思う」

 現在、ことでん伏石駅に乗り入れている路線バスは、「大学や図書館などを結ぶ路線」と「市街地を結ぶ路線」の2つ。2022年春にはさらに2つが加わる予定です。

バスや鉄道以外の活用も

 新しい公共交通網をつくるために、高松市はバスや鉄道以外の活用も計画しています。

 ことでんバスが運行する「仏生山―川島線」は、高松市立みんなの病院の開院に合わせて2018年に開設されました。仏生山ー川島線が乗り入れる病院近くの「ことでん仏生山駅」にはバスターミナルが整備されましたが……

(「仏生山―川島線」の利用客は―)
「普段はほとんど僕1人だね。ちょっと本数少ないね。1時間に1本もあればいいんだけど、2時間くらい空くときがある」

 当初の計画ほど利用は伸びていません。高松市はこの路線を、バスでの定期運行からタクシーを活用した新しい運行の形に変えようと調整を進めています。

Q.バスからタクシーの輸送に替えるメリットは?

(高松市/大西秀人 市長)
「定期路線では全く収支が見込めない所だけれども、人は住んでいて、相乗りが利用できて、時間帯も自由に利用できて、これまで以上に利便性の高いような公共交通機関として機能するのではないか」

 鉄道を軸とした公共交通の再編を進める高松市。それぞれの場所が「結節拠点」としての機能を果たせるかが、今後の街づくりの大きなカギを握ります。

(高松市/大西秀人 市長)
「中心部である伏石駅、あるいは仏生山なんかでの乗り換えによっていろいろカバーしていくエリアが増えていく。そういう形によって、面的な利便性を高めて『持続可能な公共交通体系』を目指していきたい」

 高松市によると、2022年4月に新たに2路線がことでん伏石駅に乗り入れることで、鉄道と重複していた13便を削減することができるということです。

 バスを巡っては運転手の確保という課題もあり、効率のいい運行によってこの課題の解決にもつながればと期待されています。



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