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教訓生かしきれなかった後悔を胸に…西日本豪雨の経験を伝える親子 岡山【こつこつ防災】

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 防災の話題をお伝えする「こつこつ防災」。

 西日本豪雨の経験をもとに地域の人たちが手掛けた「防災おやこ手帳」。この冊子を制作した団体には中心となって活動する親子がいます。

 豪雨から3年半余り。親子が活動する理由、そして、これから目指すものとは……

プロジェクトを立ち上げたきっかけは炊き出し

(川辺復興プロジェクト あるく/槙原聡美 代表)
「どうにかしなきゃいけないって、あの時の町の状況を見ていてみんなが思っていたと思うんです」

 2018年7月に起きた西日本豪雨で多くの住宅が浸水した倉敷市真備町川辺地区。川辺復興プロジェクト「あるく」の代表、槙原聡美さんの自宅も水に浸かりました。

 被災後に避難所で始めた炊き出しがきっかけで、槙原さんは「あるく」を立ち上げました。

(川辺復興プロジェクト あるく/槙原聡美 代表)
「災害直後というのはこの地域が泥にまみれて、誰も帰ってこないんじゃないかって皆さん心配されている中で、地域のメンバーとつながって一緒に活動できるというのは私にとっても一つの希望というか、ちょっと明るい未来が見える気がするような、そんな活動だった」

母と一緒に活動する娘の思い

 槙原さんの娘、鈴華さんは被災当時、小学5年生。中学2年生になった今は、お母さんと一緒に「あるく」の活動に参加しています。

(槙原さんの娘/鈴華さん)
「他のみんなも同じ思いをしているはずなのに、子どもだけ何もせずに安全なところで待たされたりとか楽しい生活を送るとかしてたら、自分の中ではそれはちょっと違うなって思ったから、子どもなりにできることをやりたいです」

 豪雨の経験を伝えようと「あるく」が作った冊子「防災おやこ手帳」にも、鈴華さんの意見が反映されています。

(槙原さんの娘/鈴華さん)
「自分が好きなものは絶対持って逃げた方がいいなって思いました」

(川辺復興プロジェクト あるく/槙原聡美 代表)
「鈴華がそう言ってたからここ載ってるんじゃない? おもちゃのこととか」

子どもが自由参加で手伝える場を作りたい

 鈴華さんは今後、子どもたちでも参加できる場を作ろうと考えています。

(槙原さんの娘/鈴華さん)
「子どもも手伝える場所を作りたい。学校でおやこ手帳を配った時にもうちょっとやりたかったっていう人が結構いて、子どもが自由参加できる感じのお手伝いする場がいつか作れたらなって思います」

 槙原さん親子は学校などを回って、自分たちの経験を多くの人たちに伝えようとしています。背景には自分たちが「過去の災害の教訓」を生かしきれなかったという後悔があります。

(川辺復興プロジェクト あるく/槙原聡美 代表)
「東日本大震災の方も大変つらい思いをされていて、私たちに発信してくださっていたと思うんですよ。それをちゃんと私たち自身も受け止めていなかったんじゃないかなというふうに、実は反省をしているところです。忘れたころに災害ってどうしても起きてしまう、繰り返されてしまうものなので、忘れないように伝えていく。それをちゃんと受け止めることが大切かなと思っています」

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