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西日本豪雨の教訓生かした漫画で防災教育 作者が込めた前向きな思いとは【こつこつ防災】

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 防災の話題をお伝えする「こつこつ防災」。今回は、4年前の西日本豪雨の教訓を生かして作られた漫画を紹介します。この漫画を通して子どもたちに防災知識を広めます。

 西日本豪雨で被災した高齢女性の実体験を参考にした漫画「僕に出来ること」です。国土交通省、高梁川・小田川緊急治水対策河川事務所が、個別避難計画、いわゆる「マイ・タイムライン」の啓発のために作成しました。

 漫画を描いたのは倉敷芸術科学大学の中務ヒナさんです。2021年から、プロの漫画家としても活躍しています。

(倉敷芸術科学大学 4年/中務ヒナさん)
「自分の地元(広島・尾道市)が災害にあったので、私もその経験を生かして漫画が描けたらいいなと思って漫画を描くことを決めました。でも暗い漫画にはしたくなくて、小学生や中学生が学習として前向きに使える漫画を目指してポジティブなイメージで書いています」

 漫画では主人公の男の子が、未来からタイムスリップして来た自分に、豪雨災害の時に大好きなおばあちゃんが避難しないことを知らされます。

 そこで登場するのが家族と一緒に作る「マイ・タイムライン(個別避難計画)」です。「マイ・タイムライン」は災害が起こりそうな時に自分が「いつ」「何をするのか」を時系列であらかじめ決めて整理しておく行動計画のこと。

 漫画では高齢者や障害者、乳幼児など、避難時に支援が必要な人を対象にした要配慮者の「マイ・タイムライン」を作るストーリーが展開されます。

 漫画で登場するおばあちゃんは、西日本豪雨の時に足が不自由で自宅にとどまった高齢の女性がモデルです。中務さんは漫画を描く前に、その女性に体験談を聞きに行ったそうです。

(倉敷芸術科学大学 4年/中務ヒナさん)
「おばあちゃんが、足が悪いから避難するのは遠慮しておくよって言うシーンがあるんですけど、避難先でも迷惑をかけるんじゃないかと。避難を遠慮される方がいるということを知って、主人公がおばあちゃんを置いていかないという気持ちを強めて『おばあちゃんと一緒に逃げていきたいんだ』というふうに描きました」

 高齢者や障害者など、支援の必要な人が多数犠牲になった西日本豪雨。その教訓が漫画にも生かされています。

(倉敷芸術科学大学 4年/中務ヒナさん)
「漫画だとやっぱり小学生とか中学生にも読んでもらえることが多いんじゃないかなと思うので、マイ・タイムラインやいろんな人のことを知ってもらうためにも、漫画を通して伝えることが出来るのはよかったなと思います」

 漫画「僕に出来ること」は、国土交通省、高梁川・小田川緊急治水対策河川事務所のホームページで見ることができます。

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