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「秋が短くなっている?」「空が高く感じるのはなぜ?」気象台に聞いてみた 香川【みんなのハテナ】

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 Park KSBアプリに寄せられた疑問に答える「みんなのハテナ」。今回のテーマは「秋の気候」です。

「秋が短くなっていませんか? そもそも、秋の定義とは?」(岡山市 りあるがが 59歳)

 答えてくれるのは高松地方気象台の吉村優調査官です。

「秋の定義は、気象庁では9・10・11。9月から11月としています。ですけども、世間一般には絶対的な定義はないのかなと思ってます」

 気象庁は、3月から5月を「春」、6月から8月を「夏」、9月から11月を「秋」などと定義しています。

 しかし、このほかにも「秋」には「立秋」から「立冬」までや(8月7日~11月6日)、「秋分」から「冬至」まで(9月23日~12月21日)など、いろいろな定義があります。

 では定義ではなく、体感としてはどうなのか。

「暑い日が続くということで、なかなか涼しくならないということで『秋の訪れが遅く感じられる』ために、秋の期間が短く思われる方が多くなっているのかもしれませんね」

 地球温暖化の影響で、真夏日や猛暑日が増えている日本。2022年、岡山市・高松市などでは真夏日の日数が過去最多となりました。

 さらに、全国の「カエデの紅葉日」は、10年ごとに3日ほど遅くなっています。これも秋を短く感じる要因の一つかもしれません。

「紅葉してから本格的な冬と感じる年の瀬までの期間が短くなりますよね。秋らしさを感じる期間が短くなったと思われるのかもしれないですね」

「気温20℃といっても、春と秋とでは感じ方が違うのはなぜ?」(岡山市 ゆめ 64歳)

「春は、それまで体の方が寒さに慣れていたので、寒かった時期に比べて暖かくなってくると、暖かくなったと感じるのかなと、逆に秋は、体が暑さに慣れていたので、暑かった夏に比べて涼しくなったと感じるんだと思います」

「空が高く感じるのはなぜ?」(高松市 たみ 43歳 ほか)

 「気温」と同じように、これも夏との違いが「感じ方」に影響しているようです。ポイントは太平洋高気圧です。

「夏は、日本の南東海上にある太平洋高気圧から南寄りの風が吹いています。太平洋で発生した水蒸気が、この風によって比較的高度の低いところを通って運ばれてきます。山の高さよりも低いところで雲が発生するので、夏は低いと感じるんだと思います」
「一方で秋になりますと、太平洋高気圧の影響が弱まってきます。そういうことで、高度の低いところへの水蒸気の流れ込みというのが少なくなります。ですので、空気が乾燥するということで、雲の発生はイワシ雲やうろこ雲と聞いたことがあるかもしれませんけど、そういった高度の高いところに見える雲が多くなってきます」

 雲は気象学的には10種類に分類されます。「積乱雲」いわゆる「入道雲」は夏の代表的な雲。秋によく見られる「イワシ雲」や「ウロコ雲」は、巻積雲に分類されます。

「雲のある高さが低かった夏に比べて、秋の方が高くなるということで、空が高く感じられるのではないでしょうか」

 「天高く馬肥ゆる秋」皆さんも季節による雲の違いに注目してみてはいかがでしょうか。

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