「5類移行」に合わせて、アクリル板を撤去する施設も出てきていますが、アクリル板の「その後」が今後課題になるかもしれません。
岡山県によると、アクリル板を撤去した後は「保管」「再利用」「廃棄」のいずれかになります。しかし、アクリル板を販売する会社は「再利用するための加工は難しい」と話します。
プラスチックの板を加工した製品を販売している、岡山市の入船プラスチック工業です。
新型コロナが拡大して以降、アクリル板の需要が高まり、販売は好調でした。
当初、いらなくなったアクリル板があれば引き取って再加工することを模索していましたが、難しいことが分かったと話します。
(入船プラスチック工業/入船佳樹 社長)
「エタノールの殺菌剤・除菌剤で(板の消毒を)やっていましたけれども、そこにメタノールが含まれている可能性があるので、そうするとアクリルは一気に劣化します。(販売から)時間が経てば経つほど、受け入れる方のリスクっていうのは考えなければいけないことが増えていくので、今は無理だなと」
劣化以外にも理由があります。
入船プラスチック工業によると、プラスチック製品を溶かすなどして再加工する場合、全てが同じ素材でなければなりません。しかし…。
(入船プラスチック工業/入船佳樹 社長)
「理論的には溶かしてもう1回作れるわけですけど、同じアクリルの板のように見えてもいろんな種類がありますし、みんな持ってこられたらどうやって分けるのか」
岡山県循環型社会推進課は「引き続き感染対策として活用することや、出来る限り再利用することを考えてほしい」と呼び掛けています。