ニュース

LGBT理解増進法案が衆院通過 香川・三豊市の男性カップル「少数者に寄り添っていない」

ADVERTISEMENT

ADVERTISEMENT


 性的マイノリティーに対する理解を広めるための「LGBT理解増進法案」が、13日午後、衆議院を通過しました。2021年に超党派で合意した原案に修正が加えられ、当事者からは「少数者に寄り添っていない」という声も上がっています。

(川田有希さん)
「法案自体を考えてくれるのはうれしいんですけど、やっぱり中身が……僕たちに寄り添っていない」

 2008年から交際している三豊市のアーティスト、田中昭全さん(45)と演劇制作などに携わる川田有希さん(38)です。

 2人は、同性同士の結婚を認めない民法などの規定は憲法が保障する「婚姻の自由」や「法の下の平等」に反するとして、2019年に国を提訴。

 2022年6月、大阪地裁が「憲法違反とは認められない」と原告の訴えを退け、現在、大阪高裁で控訴審が続いています。

 自民、公明、維新、国民の4党が提出した「LGBT理解増進法」の修正案は、6月13日午後の衆議院本会議で賛成多数で可決しました。

 6月9日に出された修正案では、2021年に超党派の議員連盟の実務者で合意した原案にあった「性自認」を「ジェンダーアイデンティティ」という文言に変更。原案にはなかった「全ての国民が安心して生活できるように」という留意点が加えられました。

 背景には、法案をめぐって女性を自称する男性が女子トイレや女湯を利用できるようになるといった、誤解や偏見に基づく声があがったことへの配慮があります。

(田中昭全さん)
「何のためのLGBT法案かっていうと、やっぱり多数派に属せなくてこぼれてしまった人たちを救済するためにつくっているはずなのに、そこにやっぱり多数派の人たちの視点がバンバン盛り込まれて、しかもそれは誤解に基づいたヘイトスピーチに基づいた文言がバンバン入っている」

田中さん「『全国民の安心に留意』するんだから、私たちも全国民の中に入っているので、そういう意味では逆に言うと、結局、当事者の頑張りに差し戻されている感がすごいね。法案自体の内容から言えば」
川田さん「結局不勉強だからね」
田中さん「結局『お前らで頑張れ』と言われている気がしてしようがない」
川田さん「自分たち(国会議員)が理解していないから、結局法案でもそうやって丸投げみたいな」

 2人は、国会議員たちの不勉強や無理解を指摘する一方、法案の評価については「今のところ結論が出せない」と言います。

(田中昭全さん)
「(法案の良かった点は)LGBTという名前が法律の中に入ったというところですね、根本的に。今までずっと“しかと”されてきたわけだから、存在自体が。なかなか日本というのは1回(法律を)つくったら改正していくのはすごい時間がかかる問題なので。できてしまったらできてしまったで、ちゃんと対応できるようなところは対応してもらうという方向にしか進めないんじゃないかなって気はしますけれども」

関連ニュース

全国ニュース(ANN NEWS)

新着ニュース