夏の高校野球・香川大会。「選手宣誓」で伝えた3人の親への感謝を胸に最後の夏を戦う選手がいます。
(開会式 8日 坂出商/西山晴琉 主将[3年])
「最高の恩返しをするとともに、悔いのない熱い夏にすることをここに誓います」
坂出商業のキャプテン西山晴琉(にしやま・はる)は、この夏の始まりを告げました。西山がこの宣誓でどうしても感謝を伝えたかった相手……。
(坂出商/西山晴琉 主将[3年])
「僕の親の存在っていうのは、手が届かないというか……父親と母親に感謝の気持ちを」
両親の和宏さんと亜希子さん。父親の和宏さんは幼い頃から野球のコーチとして。母親の亜希子さんは朝5時にお弁当を作るなどして支えてきました。
(父/和宏さん)
「(Q.選手宣誓は?)球場に来て見させてもらいました。我が子なりに上出来だったなと」
そしてもう1人西山の活躍を見に来たのが、産みの親であるめぐみさんです。西山が2歳の時に、病気でこの世を去りました。
産み育ててくれた3人の親へ勝利を……。
坂商は2点をリードされ迎えた5回。相手の盗塁をキャッチャー西山が自慢の肩で阻止。追い上げムードを作ります。
5回裏2アウト3塁1塁のチャンスで打席には西山。
(坂出商/西山晴琉 主将[3年])
「絶対自分が返すっていうのは、その前から決めていたので」
西山がライト前にタイムリーヒット! 1点差に詰め寄ります。
その後、試合は緊迫した投手戦となり延長タイブレークへ……。
1点を追う10回裏2アウト満塁、2塁ランナー西山がホームに返ってくればサヨナラ……。
しかし7番波多野が三振に倒れ試合終了。感謝の気持ちを胸に西山は最後の夏を戦い切りました。【英明 4-3 坂出商 延長10回タイブレーク】
(父/和宏さん)
「一生懸命、全力プレーで頑張ってたかなと、褒めてやりたいですね」
(母/亜希子さん)
「もう感謝は十分に届いていて、こちらこそ感謝、頑張ってくれてありがとう、感謝の気持ちでいっぱいです」
(坂出商/西山晴琉 主将[3年])
「自分より親の方がえらかったり、つらかったりそういう時期もあったと思うんですけど、応援をずっとしてくれていたので、その中でも自分が全力プレーをすることで恩返しできたかなと。ありがとうですね」