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いつから「花粉症」と言い始めた? いまや2人に1人以上が発症…花粉症の疑問に専門家が回答「昔はアレルギーそのものがあまりなかった」【みんなのハテナ】

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 Park KSBアプリに皆さんから寄せられた疑問をもとにお伝えする「みんなのハテナ」。この時期になると気になる人も多いのではないでしょうか……今回は「花粉症」に関するハテナです。

 そもそも花粉症の人はどれくらいいるのでしょうか。ウェザーニューズのアンケート調査によると、自分が花粉症だと答えた人は全体の55%。つまり2人に1人以上が発症しているということになります。

「そもそもいつごろから『花粉症』と言われ始めたの?」(丸亀市 れいちゃん 57歳)

 この疑問について、飛散量など花粉の研究をしている「中国・四国空中花粉研究会」で役員を務める小林耳鼻科醫院の小林英治院長に聞いてみました。

(小林耳鼻科醫院/小林英治 院長)
「(花粉症が)提唱されたのが昭和40年くらいだったと思います。花粉症とかアレルギー性鼻炎の歴史は短いです。昔はアレルギーそのものがあまりなかった」

 厚生労働省によると、日本では1963年に「ブタクサ」の花粉症が、1964年に「スギの花粉症」が初めて報告されました。

 花粉症の歴史が浅い背景について、小林さんは「免疫力の低下がある」と考えています。

(小林耳鼻科醫院/小林英治 院長)
「時代背景として環境ホルモンだったりとか環境汚染だったりとか、要は免疫系を壊すものがあったんでしょうね。排気ガスとかは最たるもの。あともう1つ大事なのは抗生物質です。抗生物質は体の中の免疫とかに関係します。特にお腹の中の細菌を死滅させます。そうするとアレルギーになりやすいというのはメカニズムとしてハッキリしています。抗生剤が出来たのがペニシリンが出来て以降なので、それができてからアレルギーというのはものすごく増えていると思う」

「花粉の飛散量の予測はどのように行うの?」(高松市 Y.K 50歳)

(小林耳鼻科醫院/小林英治 院長)
「前年の夏の気温ですね。高い方が(花粉は)飛びやすいし、低いとそれほど飛ばない」

 小林さんによると、花粉を飛ばすスギの雄花は、まず前の年の夏に「芽」の状態として現れます。雄花の芽は夏の気温が高いほどたくさんできる傾向にあります。

 そのため、前の年の夏の気温が「花粉の飛散量」に影響するということです。

 ウェザーニューズによると今シーズンの岡山・香川の花粉の飛散量は「平年並みかやや多い」とみられています。

 ちなみに、小林さんは約20年間、日々の花粉の飛散量を調べています。ワセリンを塗ったプレパラートを屋外に設置し、そこに付着した花粉の数を顕微鏡で見て数えています。

 小林さんによると、機械を使って量を調べることもできるそうですが、花粉ではないものを花粉と認識してしまうこともあるそうです。

(小林耳鼻科醫院/小林英治 院長)
「変なバイアスというかイレギュラーなことが起こるので、機械で正確にはまだ測れないと思います」

「雨の日は花粉は少ないの?」(岡山市 はるみな 38歳)

(小林耳鼻科醫院/小林英治 院長)
「雨の日は空中に浮いている花粉が雨に当たれば落ちますから、雨の日は観測は少ない」

 ただし、雨が降ったからといって油断はできないそうです。

(小林耳鼻科醫院/小林英治 院長)
「大体雨の日の翌日はたくさん花粉が飛ぶというのは言われていますね」

 アレルギーに関する情報を提供しているアレルギーポータルによると、雨が上がった後に晴れると地面に落ちていた花粉が再び空中に巻き上げられます。そして新たに飛んできた花粉と合わさり、合計の飛散量が増えるということです。

 最後に、花粉症の人がこれからの時期取るべき対策を聞いてみました。

(小林耳鼻科醫院/小林英治 院長)
「まずは(花粉を)吸わない。マスク・メガネ・体の中に取り込まない。これに尽きます。なおかつ、事前にアレルギーの薬を持っておく。
症状が始まったと同時に服用する。もしくはスプレー・目薬をする使う。そうすることによってかなり症状は抑えられます」

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