皆さんから寄せられた疑問をもとにお伝えする「みんなのハテナ」。1月17日は29年前に阪神・淡路大震災が発生した日です。今回は「防災」のハテナです。
「防災グッズで必要最低限のものを教えてほしい」(倉敷市 あっちゃん 55歳)
この疑問について地震学や減災科学を研究している香川大学の金田義行特任教授に聞いてみました。
(香川大学/金田義行 特任教授)
「『必要最低限』って個人によって違うと思うんですが、一番いいのは自分が食べられるもの。生きるという意味だとカロリーとかが非常にあるということが大事な部分。水はもちろんありますよね。あとは常備薬」
非常食や水は3日分準備することが必要だとされています。
また金田さんは、防寒対策のためのカイロや情報を得るためのラジオなど「もし発災したら何が必要になるか」をイメージトレーニングしながら準備をすることが大切だと呼び掛けています。
「防災グッズの保管場所は皆さんどうしていますか?」(善通寺市 みっちぇちゃん 64歳)
15日、高松市で開かれた「市民防災講演会」で参加した人たちに聞いてみると……。
(市民防災講演会の参加者は―)
「入り口付近とかベッドの近く。スリッパとか、ああいうのを紙で作ったりとか、ヘルメットとか、あとは防災グッズの袋」
「(保管場所は)寝室に近いところですけど1階ですね。水から非常食、トイレ」
防災グッズのおすすめの保管場所について金田さんに聞いてみると……。
(香川大学/金田義行 特任教授)
「南海トラフ(地震)を想定した場合、まずは緊急地震速報が鳴りますよね。10秒、20秒という時間の中で、そのあと揺れ始めます。まず家の中に置いておくということと、もし慌てて後から取りに行くという意味だと、物置とか車の中というのは保管場所としてありかな」
さらに……。
(香川大学/金田義行 特任教授)
「外出する時にはペットボトルみたいなものとか、あめ玉を持っていったりする。短い時間ですがカロリー補給とか、何か入れていることで安心感がありますよね。あまりかさばらずに重くならないので、それを普段から持ち歩いているということも大事ですし、非常用の袋の中に入れておくことも大事だと思う」
「地震の時はすぐに外に出ようとしても大丈夫ですか?」(高松市 稲葉ウア★ 48歳)
(香川大学/金田義行 特任教授)
「非常に丈夫な建物の中であれば、まずは室内で身の安全を確保するということがすごく大事。一方、耐震化に不安のある建物であれば、まずは避難経路を確保することをしていただいて、さらにリスクがあるような状況になれば外に出るということも一つの考え」
また避難方法についても疑問が……。
「災害時避難するときに、車で行くかどうかの判断は何ですか?」(倉敷市 ちょこりん 59歳)
(香川大学/金田義行 特任教授)
「原則は徒歩なんですが、避難困難者の方が徒歩で果たして逃げきれるかという問題もありますよね。能登半島地震でもいろんな映像で避難困難者の方が車で津波から助けられたということがありました。ですから、比較的過疎地域で渋滞があまり想定されていないところでは特に避難困難者がたくさんいるような地区のところでは、車避難も検討しなくちゃいけない。都会のような車の多いところでは渋滞が発生するので原則は車避難はNG」
今後、30年以内に70~80%の確率で発生するとされている南海トラフ地震については……。
(香川大学/金田義行 特任教授)
「発生確率70~80%というとあまり皆さんピンと来ないんですけど、降水確率に置き換えたら、皆さん傘持って行きますよね。いかに70~80%が高いかという認識をしていただくことが大事かな」
そんな中で、日頃から私たちにできることを聞いてみると……。
(香川大学/金田義行 特任教授)
「まち歩きをするということがすごく大事なこと。避難所に行くためにはこの道だけでいいのかなとか、いろんな気付きをしていただくことが大事。それも、冬場、夜、深夜の場合はどうなのかなということを少し考えていただく、イメージしてもらうことがすごく大事で、それを一人ではなく、みんなで一緒に歩いて話し合ってもらうことが大事かな」